Altium Vault サーバ - 集中化されたサプライチェーン管理

 

各 Altium Vault サーバには Part Catalog があります。これは、メーカーのパーツやそれに関連したサプライヤーパーツを管理したり追跡できる、管理されたローカルの part catalog データベースです。また、Altium Vault サーバとして同時にインストールされ、このタイプの Altium Vault でのみ働きます。 

ローカルの part catalog には、サプライヤーパーツを表す 1 つ、または複数の item と一緒に、実際のメーカーのパーツを表す item(サプライヤー/ベンダーが販売するメーカーパーツを具体化したもの)が保存されています。各サプライヤーパーツは、サプライヤーデータベース内の item を参照します。 

メーカー(とパートナンバー)、サプライヤー(とパートナンバー)、内容説明、価格、入手可能性 から成る実際のサプライチェーンは、part catalog やサプライヤーデータベースから得られます。後者は、外部のデータベース(サプライヤーの web ベースのサービス)、または社内のパーツデータベース(ODBC ベース)です。サプライヤーデータベースへリンクして、リアルタイムの価格や入手可能性のデータを得ることができます。 

Part Choices とローカルの Part Catalog を使用して、vault ベースの Item を市場のメーカーパーツへマッピング。
Catalog は、サプライチェーン情報を入手するために、オンラインのサプライヤーデータベースと/または社内のパーツデータ
ベースへ接続できます。 

実際に使用するサプライヤーデータベース(承認されたサプライヤー のリスト)は、Altium Vault サーバで管理します。このリストは、Altium Vault サーバのブラウザベースのインターフェースから設定します。これにより、デザインで使用したパーツのサプライチェーン情報を入手するためにベンダーの承認されたリストを使用して、企業全体の設計者が集中化されたサプライチェーン管理を容易に行えます。 

Altium Vault サーバのバージョン 1.1 から、承認されたサプライヤーリストをサーバベースでコントロールしたり、ODBC から社内のサプライチェーン情報へアクセスできます。以前のバージョンのサーバをアップグレード後、互換性を保つため vault データベース内の既存のサプライチェーンデータを更新する必要があります。これは、Vault Migration Tool を使用して行います。これを行う手順については、QuickGuide - Upgrading to Version 1.1 of the Altium Vault Server をご覧ください。 

サプライヤーのリストへアクセス

外部の web ブラウザから、Altium Vault サーバのブラウザベースのインターフェース (http://<ComputerName>:<PortNumber>/console) を表示します。そして、サインインして Catalog ページへアクセスします。  

Altium Vault サーバのブラウザインターフェースにある Catalog ページから、サプライチェーン情報を入手する時に使用するサプライヤーを定義。 

ブラウザインターフェースを使用して、Altium Designer 内(Home ページ (View » Home) にある Vault – Catalog サブ画面を使用して)から直接、Altium Vault サーバにある承認されたサプライヤーを閲覧、管理できます。 

サプライヤーの管理

 Altium Vault サーバにある承認されたサプライヤーのリストの管理は、vault の管理者のみが行えます。 

各サプライヤーについて、以下の 2 つの要素を定義できます:

  • デザイン内にあるパーツのサプライチェーン情報を入手する時、そのサプライヤーを利用できるかどうか。 
  • サプライヤーから入手したデータを更新する頻度。 

デフォルトで、使用できる各サプライヤーは有効( アイコンで区別されます)となっており、1 日 間隔で 'データ更新' されます。 

リスト内のサプライヤー名をクリック、または右にあるドロップダウンから Edit コマンドを使用して、サプライヤーの詳細を確認できます。 

必要に応じて、サプライヤーへアクセスし変更を実行。 

サプライチェーン情報を入手する時、サプライヤーを利用できないようにするには、Acquire supply chain information from <SupplierName> オプションを無効にします。これは、言い換えると、'承認されていない' サプライヤーを表します。 

必要に応じて、異なるデータ更新間隔を選択するには、Update acquired supply chain information every ドロップダウンを使用します。1 分 から 10 日 までの範囲で間隔を設定できます。  

修正した時、Apply ボタンをクリックして変更を反映します。 

サプライヤーのリストを変更した例。 

利用できない('承認' されていない)サプライヤーは、 アイコンで区別されます。 

ODBC ソースを社内のサプライヤーとして設定 

オンライン(外部の) サプライヤーデータベースからサプライデータを入手する他に、社内のパーツデータベースから直接、データを入手できます。これは、Database Link ファイル (*.DbLink) から Altium Vault サーバのローカルの Part Catalog を ODBC ソースへリンクして行えます。 

DbLink ファイルの作成

DbLink ファイルは、データベースの相対的な場所や、フィールドマッピングを使用してデータベース欄を指定するために使用します。 

DbLink ファイルで作業する方法については、ここで説明します。詳細について、またはこのタイプのファイルについて更に、知るには、Creating the Database Link File をご覧ください。 

以下のステップは、DbLink ファイルを準備するために必要です:

1. Altium Designer をインストールしたコンピュータへソースデータベースを読み込みます。 

2. Altium Designer から新しい DbLink ファイル (File » New » Database Link File) を作成。 

既存の DbLink ファイルがある場合、それを使用できます。または、DbLib/SVNDbLib がある場合、コピーして拡張子を .DbLink へ変更します。 

3. DbLink ファイルを開き、ソースデータベースを指定します。データベースを Microsoft Access、または Microsoft Excel を使用して作成した時、Select Database Type オプションによりコネクションストリングを容易に作成できます。このオプションを使用して、データベースタイプ、データベースファイルを選択します。コネクションストリングは自動で構成され、Use Connection String オプションの欄に入力されます。Store Path Relative to Database Library オプションが有効であることを確認します。 

Microsoft Excel のデータベースのパス(DbLink ファイルの場所との相対パス)を指定した例。 

DbLink ファイルは、社内のソースデータベースの複数のテーブルをサポートします。テーブルを除外するには、DbLink ファイルのTables 領域が無効であることを確認します。

4. Field Mappings タブ上のデータベースフィールドをマップします。 Design Parameter 欄の各フィールドのドロップダウンを使用して、データベース内のフィールドへマップします。サプライチェーン情報に関連した特定のフィールドは以下です:

  • [Description] – part の内容説明。
  • [Manufacturer Part Num n]   Manufacturer n に関連した part part number。 
  • [Price] part の単価。
  • [Product Photo URL] part の画像。
  • [Quantity] 現在ある在庫の part の数。
  • [Supplier] Manufacturer part を販売するサプライヤーの名称。
  • [Supplier Part Num] – 販売した Manufacturer part に対してサプライヤーが使用した part number。 

これは、part choice を作成する時のサプライチェーン ソリューションに必要な情報です。他のパラメータ(例えば、技術的なパラメータ)について、Visible On Add オプションが有効であることを確認します。これは、part choice を作成する時、検索した part のパラメータを表示するために必要です。 

ソース データベーステーブルのフィールドをマッピング。

5. Field Settings 領域で、一致基準(single key lookupで簡易的に、または Where 句を使用してより詳細な一致基準)を定義します。 


一致基準を指定。

6. DbLink ファイルを保存し、データベースと DbLink ファイルを Altium Vault サーバがインストールされているコンピュータへ(それらと同じ相対パスへ)コピーします。 

ODBC サプライヤーの設定

データベースと、それに接続している DbLink ファイルを Altium Vault サーバと同じコンピュータに保存したら、データベースと伝達できるように、ローカルの Part Catalog DbLink ファイルで認識させる必要があります。これは、vault のブラウザインターフェースの Catalog ページから行います。リスト内の ODBC サプライヤー名をクリック、または右にあるドロップダウンから Edit コマンドを使用します。これにより、サプライヤーの詳細が表示されます。 

必要に応じて、ODBC サプライヤーへアクセスし変更を実行。 

リスト内のその他、オンラインサプライヤーと同様に、ODBC サプライヤーの有効な状態や、データの更新間隔をコントロールできます。 

DbLink ファイルを指定して開くには、DbLink file 欄にある  アイコンをクリックします。 

会社のデータベースへ接続するために、Part Catalog が使用する DbLink ファイルを指定。

DbLink ファイルでデータベースに対する相対パスを使用した場合、絶対パスを示すには Absolute path 欄を使用します。これは、ファイルを Part Catalog へアップロードする時、ブラウザのセキュリティで必要です。 

DbLink ファイルに対する絶対パスは、ファイルのアップロードのみに使用されます。アップロードが成功した後、この欄はブランクで無効のままになります。 

DbLink ファイルに対する絶対パス。 

必要に応じて、全ての設定を定義したら、Apply ボタンをクリックして変更を反映します。そして、DbLink ファイルをアップロードします。 

DbLink ファイルへ変更を反映する場合、ファイルを保存して再アップロードする必要があります。

ODBC サプライヤーとの接続を確認

Part Catalog がソースデータベースへ正しく接続されていることを確認するには、Preferences ダイアログの Data Management – Suppliers ページを表示します。ODBC サプライヤーを有効にする必要があります(catalog の Approved Suppliers リストに戻って、Acquire supply chain information from ODBC プロパティを有効にした場合)。サプライヤーリストでその項目を選択すると接続が成功し、詳細な情報が Connection StringTable NameData Source Fields Mapping 欄に表示されます。 

社内のデータベースへの接続を確認。

ODBC サプライヤーから Part を検索

ソースデータベースへ接続してからデータベースに存在する parts を検索して、デザイン item の part choice を作成できます。Part choice は、以下の方法で作成できます Part choices can be made:

  • Part Choice リストから vault 内にある Component Item の Part choice を直接、作成できます。 
  • BOM ドキュメント (*.BomDoc) の BOM Catalog タブで定義した手動によるソリューション(ActiveBOM とも言います)からデザイン item の Part choice を間接的に作成できます。 

オンラインサプライヤーと同じ方法で、Approved Suppliers リストで有効にした ODBC サプライヤーに関する社内のデータベース内の part を検索できます。

Preferences のサプライヤーリスト

Altium Vault サーバが、どのサプライヤーを企業で使用するか指令します。Altium Vault サーバに接続したら、Preferences ダイアログの Data Management – Suppliers ページにあるサプライヤーのリストは無効(読み取り専用)になります。 

複数の Altium Vault サーバを接続した場合、サプライヤーのリストは、最初に接続した Altium Vault サーバ(Preferences ダイアログのData Management – Vaults ページのリストで、最初に接続したvault)に従います。

Altium Vault サーバへ接続したら、Preferences にあるサプライヤーのリストには、サーバレベルで定義したリストが反映されます。
You are reporting an issue with the following selected text and/or image within the active document: