コンポーネント管理
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Parent article: Vault によるエレクトロニクス設計
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Altium の設計データ管理システムへの基礎となる本質やエレクトロニクスの設計を行う方法の 1 つは、設計プロセスに使用したオブジェクトをモデル化することです。単にそれらをモデル化するのではなく、高レベルな品質でモデル化します。これは、抵抗のようなすぐに手に入るコンポーネントから、PCB 実装、筐体、最終の製品までを通して設計プロセスに使用した全てのオブジェクトに適用します。
統一した設計方法を備えた Altium Designer では、エレクトロニクス設計プロセスの全ての面を拡張するコンポーネントモデルを使用してきました。しかし、エレクトロニクス設計のプロセスを、全体としてまとめられている製品開発プロセスへ合わせるために、このモデルは、製品開発プロセスと関わる調達や製造のようなビジネスプロセスや、特定の MCAD や工業デザインのその他の設計プロセスを扱うために展開させる必要があります。
この展開されたオブジェクトモデルは、統一されたコンポーネントモデル として知られています。
この '次世代' のコンポーネントモデルは、従来のエレクトロニクス設計領域のデザインコンポーネントの概念を、より大きい '製品領域' のその他の機関で見られるようなコンポーネントへマップします。'統一されたコンポーネント' モデルは、異なる設計領域(回路設計、2D/3D PCB レイアウト、シミュレーション、シグナルインテグリティ)のコンポーネントを表現するだけでなく、要求した物理的なコンポーネント(実装された製品を製造している時、調達コストや時間を改善した市場で製造されたパーツ)を容易に選択できます。
このモデリングの例で、設計者が見ているデザインコンポーネントはメーカーや/またはベンダパーツと分かれています。この情報は、コンポーネントの一部として定義されません。代わりに、独立した vault Item(Part Choice List Item)はデザインコンポーネントを、Global Part Catalog にある 1 つ、または複数のメーカーパーツ(設計者が事前に指定できる 1 つ、または複数のベンダパーツに順番にマップでき、デザインで使用したコンポーネントとして使用できる実際のパーツ)へマップするために使用されます。
選択したこれらのコンポーネントは、目的の Altium Vault に保存されます。
鍵となる利点
- 会社が保証したデザインコンポーネント。コンポーネントは、vault 内の設計プロジェクトへリリースできるファイルベースでモデル化されます。レビジョンをコントロールしライフサイクルを管理して、会社は、設計者が使用できるコンポーネントを許可できます。
- 物理的なコンポーネントの設計時間の選択。ボードを実装する時、どの Manufacturer Parts のコンポーネントを使用するかリリースされたComponent Item で選択できます。調達チームへ '注意' する点として、これらの '選択' はレビジョンをコントロールしライフサイクルを管理した Part Choice List Item で指定すると言うことです。そこで、Component Item と Manufacturer Parts 間のリンクを保存します。製造されたパーツは、ベンダパーツ(購入できるコンポーネント)へリンクした Global Part Catalog で参照されます。
- リアルタイムのサプライチェーン情報 – 選択したパーツの現在のコストや入手可能かどうか設計者へ知らせるために、サプライヤーの web サービスや、選択したパーツを販売するベンダからフィードバック。
作成とリリース
設計側で、vault へリリースした各デザインコンポーネントはソースの コンポーネント定義 を使用して指定されます。コンポーネント定義は、特定のデザインコンポーネントの定義(そのコンポーネントのために必要なモデルやパラメータを一緒に結び付ける定義)です。設計側の各コンポーネント定義は、ターゲットの vault にある Item(Component Item)にマップします。その他の方法でこれを行うには、リリースした時、デザインで何度も再利用できるコンポーネントを供給するソース定義を定義します。
保存場所に関して、コンポーネント定義は Component Library ファイル (*.CmpLib) 内で作成、管理されます。1 つの Component Library ファイルは、1 つまたは、複数のコンポーネント定義によって 1 つ、または複数の固有の Component Item を作成(Component Item へマップ)するために使用できます。各コンポーネント定義は共通のパラメータを持ち、必要な領域モデルへリンクします。
Component Library ファイルで、必要に応じてコンポーネント定義を定義してそれをリリースします。そのリリースプロセスは各ターゲットの Item の新しいレビジョンを生成することです。更にその Item は、リリースプロセス(定義と実行)の一部として素早く作成されます。
デザインの再利用
リリースされ vault で利用できる場合、コンポーネントは新しい設計プロジェクトへ再度、利用でき、試作、または量産のために使用できます。また、コンポーネントを正式に修正しライフサイクルで管理していれば、コンポーネントを認可することができます。これは、企業がコンポーネントの状態(設計、試作、量産等に使用できるもの)を指定できます。設計の観点から、これは、新しい設計プロジェクトで使用するために会社が認可したコンポーネントを含む vault ベースのライブラリを作成できます。
デザインは "試作"、または "量産" (そこで使用するコンポーネントは、そのライフサイクル状態にある)へリリースできるので、デザインで証明されたコンポーネントを使用することは、ボードデザインのライフサイクル状態を変更する(より信頼性のあるデザインになります)時と言うことです。言い換えると、コンポーネントが "設計" 段階のみにある場合、実装ボードを製造し始めないでしょう!
コンポーネント管理領域で厳密にこれを行う場合、システムは、参照した領域モデルがそうすることができる正しい状態になるまで、vault でコンポーネントのライフサイクル状態を進めることができません。言い換えると、そのライフサイクル状態で親コンポーネントは子モデルより先に進めることはできません。
Altium Vault 内のリリースしたデータ構造では、そのデータを 'どこで使用したか' 確認できる機能があります。vault 内の親 Item に関して、どんな時でも、特定の子 Item を使用する場所を確認できます。そのため、与えられた領域モデルについて、それを参照するコンポーネント Item を素早く識別できます。与えられたコンポーネント Item について、それがどのデザインで使用されていて、どの回路図シートで管理されているか等、確認できます。
もし、そのコンポーネントを使用しない、または廃盤になっている場合、それが配置されている回路図シートやボードレベルデザインを確認して素早く識別できます。そして、その他の認可されたコンポーネントを使用して新しいレビジョンとして Item を更新、再リリースします。デザインで使用、確認する必要があるコンポーネントを見つけることができる時、既にそれは使用されています。もし、それらのデザインが量産状態である場合、そのコンポーネントは既に証明されています。そのため、次のデザインで信頼して再利用できます。
また、統一された vault ベースのコンポーネントは、選択したメーカーパーツや参照するベンダ(サプライヤー)パーツを通してそのコンポーネントからリンクを作成します。設計者の視点から、コンポーネントはサプライチェーンへ直接、連携します。これは、設計者が、選択したパーツ(Global Part Catalog で定義されたように)を販売する全てのベンダから現在のコストや入手可能なパーツを知るために、サプライヤーの web サービスから市場のデータを利用できます。