Vault ベースのコンポーネント

Vault ベースのコンポーネントは、4 世代のコンポーネントモデルを表します。回路図や PCB ライブラリモデルは最新の世代の重要な土台の部分になりますが、コンポーネントモデルは設計者のための技術的な領域だけでなく、部品調達や製造チームがアクセスする幅広い製品設計領域を含みます。 

'統一されたコンポーネント' モデルは異なる設計領域(回路設計、2D/3D PCB レイアウト、シミュレーション、シグナルインテグリティ)のコンポーネントを表すだけでなく、実装された製品を製造している時、調達コストや時間を改善させ、設計時に Part Choices の構想、物理的なコンポーネント(市場にある製造されたパーツ)の仕様を容易にします。 

ファイルベースのコンポーネントのモデルは設計側で定義され、安全なリポジトリ、または vault へリリースされます。ここで、コンポーネントは固有に識別できる Component Item の一連のレビジョンとして保存されます。各レビジョンは、新しい設計プロジェクトへ re-instantiate する、試作を製造する、または量産のために使用する権利が与えられ、証明されたコンポーネントを選択できライフサイクルで管理されます。つまり、vault ベースのライブラリを通して実行されたコンポーネントのカタログです。

事前に必要な Domain モデル

Main article: Vault ベースの領域モデル

デザインコンポーネントを定義するプロセスを調べて、vault へそれらをリリースする前に、初めにモデル自体(設計領域のコンポーネントを表す)を作成しリリースしたことを確認する必要があります。 ボードレベルコンポーネントについて、これは回路図シンボルや PCB 2D/3D コンポーネントモデル(シミュレーションや/またはシグナルインテグリティモデルのような他の領域モデルを含みます)の場合になります。 

デザインコンポーネント定義

Main article: コンポーネントライブラリとコンポーネント定義

part choice を通して、デザインコンポーネントが市場の製造されたパーツ(拡張された '統一されたコンポーネント' になります)へマップする方法を見る前に、それを定義、管理する方法を確認します。 

コンポーネントのデザイン画面は、設計領域のコンポーネントを保存するモデルに使用した情報を含むコンテナです。これは、パラメータ情報と同様に必要な領域モデル(回路図シンボル、PCB 2D/3D コンポーネント、SI、Sim 等)へのリンクを含みます。また、この抽出された 'bucket' タイプのモデルは scalable で、コンポーネントは将来的に追加した設計領域で表される必要があります。 

コンポーネントの設計画面(様々な設計領域のモデルを表すために必要な情報のためにパッケージ
されたコンテナ)。

しかし、コンポーネントを指定する方法は? または、より正確にそのコンテナの content を決める方法は? その答えは、設計側で Component Definition を作成することです。 

コンポーネント定義は、特定のデザインコンポーネントの定義(コンポーネントのために必要なモデルとパラメータを結びつける定義)です。設計側の各コンポーネント定義は、ターゲット Altium Vault の Item(Component Item)へマップします。その他の方法でこれを行うには、リリースした時、デザインで何度も再利用できるコンポーネントを使用できるよう定義します。 

storage に関して、コンポーネント定義は Component Library ファイル (*.CmpLib) 内で作成、管理されます。このタイプの新しいファイルは、File»New»Library»Component Library コマンドを使用して作成できます。1 つの Component Library ファイルは、1 つ、または複数の固有のコンポーネント定義を入力することで、ターゲット vault の 1 つ、または複数の固有の Component Item を作成(へマップ)するために使用できます。各コンポーネント定義には共通のパラメータがあり、必要な領域モデルへリンクします。 

一般的に、Component Library ごとに 1 つのコンポーネント定義を持つことは良い方法です。しかし、例えばチップ抵抗のようなコンポーネントを管理する場合の例外があります。シンボル、またはフットプリントを共有する多くのコンポーネントがあり、1 つの Component Library でこれらを共有している時、Component Library は階層的な factorization のモデルを提供します。もし、例えばフットプリントを変更した場合、間違える危険性が無く全ての 0603 チップ抵抗は、そのフットプリントの新しいレビジョンを使用するために容易に更新できます。

Component Library ファイル内で設計側のコンポーネント定義を作成、管理。

既存の回路図ライブラリから自動で生成されるコンポーネント 

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コンポーネントの管理方法については、今まで何回か他の作業方法へ移行しました。統合ライブラリ、またはデータベースライブラリをいつ使用したか覚えていますか? 後者については、ツールで更に展開できる機能です。初期のコンポーネント管理方法の移行と同様に、Altium Designer では、次世代のコンポーネント管理(vault ベースのコンポーネント)への移行を手助けする様々なツールを提供します。 

Component Library で特に役立つツールの 1 つは、ソース回路図ライブラリから自動でこれらを生成する機能です。Component Release Manager (File»Component Release Manager) 内から実行します。このツールは、ソースコンポーネント定義(vault ベースの Component Item が生成されます)を作成している時、手動の作業が必要でエラーが起こる可能性があります。 

Generate Component Libraries migration ツールでコンポーネントライブラリを自動生成。

この方法でコンポーネントライブラリを生成する時、初めに参照する必要がある domain モデル Item がリリースされている必要があります。そのため、オリジナルソース回路図コンポーネントのためのソースシンボルと、それに関連した PCB 2D/3D コンポーネントモデルは、新しいコンポーネント定義が回路図コンポーネントから作成される前に、ターゲット vault へリリースする必要があります。

ソース回路図ライブラリでコンポーネントを構築するのに費やした努力は、無視できません。また、その努力を繰り返す必要はありません! migration ツールは、ライブラリでコンポーネント定義の必要な項目を入力するように、各オリジナルソース回路図コンポーネントの情報を使用します:

  • 回路図シンボルのリリースから作成された Item と、リンクした PCB 2D/3D コンポーネントモデルは、その定義のためにリンクするモデルとして使用されます。 
  • Symbol Reference と Description パラメータ値は、その定義で Comment と Description パラメータの値として使用されます。 
  • 回路図コンポーネントで定義した全てのユーザパラメータは、その定義に必要なパラメータとして追加されます。 

ソース回路図ライブラリで、オリジナル回路図コンポーネントから生成された新しいコンポーネントライブラリとコンポーネント定義の例。

コンポーネント定義をリリース

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コンポーネント定義をリリースしている時、1つのコンポーネントライブラリからリリース、またはバッチのような方法で複数のコンポーネントライブラリからリリースする機能があります。 

  • From a Single CmpLib – Altium Designer 内でコンポーネントライブラリファイルが開いていて、アクティブドキュメントであることを確認します。もし、ライブラリに複数のコンポーネント定義が含まれている場合、リリースしたいコンポーネント定義のみ有効にします。それから、File»Release To Vault コマンドを使用します。選択したターゲット vault へリリースしたいことを確認するためのダイアログが表示されます。Yes をクリックします。リリースプロセスは、vault 内のターゲット Item の次の (planned) レビジョンで、各コンポーネント定義のために保存されたリリースデータと共に進行します。定義が最初にリリースされた場所で、新しい Component Item は指定した ID と一緒に vault 内のターゲットフォルダで作成されます。そして、その定義に戻ってリンクされます。 
  • From Multiple CmpLibs – これは、Component Release Manager (File»Component Release Manager) を使用して実行されます。リリースするコンポーネントライブラリを見つけて、最初にリリースされているコンポーネント定義へ適用される予定の vault 側でオプションを設定できる(ターゲット vault、その vault のターゲットフォルダ、Item Naming scheme、レビジョンとライフサイクル定義方針)設計側で Windows フォルダを指定します。それから、ソースと保存フォルダを同期します。これにより、ライブラリに含まれたコンポーネント定義のリスト(現在の状態、次の状態、リリースプロセスによって行われる動作)が表示されます。固有の ID は、各新しい Item(初めにリリースされている定義のために作成されます)のために割り当てられます。ボタンをクリックして必要な定義をリリースして、リリースする定義をコントロールできます!
     

    Component Release Manager を使用して1つ、または複数のソースコンポーネントライブラリに保存されたコンポーネント定義をリリース。

リリースされると、 Vaults パネル を使用して直接、vault で Component Item(vault ベースのコンポーネント)を閲覧できます。 

ターゲット vault 内から直接、リリ-スされた Component Item を表示した Vaults パネル。

Part Choices - サプライチェーンへアクセス

Main article: Part Catalog と Part Choice

コンポーネント定義をリリースすることで、ターゲット vault、または 'vault ベースのコンポーネント' の Component Item が作成されます。しかし、この段階でそれは、単にデザイン(または、engineering)のコンポーネントで、ボードデザインでそれを使用している設計者の領域を意味します(設計領域以外を意味しません)。デザインとサプライチェーンを一体にする統一されたコンポーネントにするには、Component Item を物理的な市場の製造されたパーツにマップする必要があります。 

統一されたコンポーネントモデル下で、設計者が見るデザインコンポーネントは Manufacturer や/または Vendor パーツと分かれています。この情報は Component Item として定義されません。代わりに、分割された vault Item(Part Choice List Item)はデザインコンポーネントを Global Part Catalog にリストされた Manufacturer Parts へマップするために使用されます。そこで、設計者があらかじめ決めることができる Vendor パーツへ順番にマップできます。市場にあるパーツは、デザインで使用したどんなデザインコンポーネントにも使用できます。 

これは、選択した Manufacturer Part(s) を通してずっと、そのコンポーネントからそれぞれ参照する Vendor(サプライヤー)パーツへリンクを作成します。設計者の観点から、コンポーネントは直接、サプライチェーンと関連があります。これは、選択したパーツ(Global Part Catalog で定義したように)を販売する全ての Vendor から現在のコストや選択したパーツが入手可能かを設計者へ知らせるために、サプライヤーの web サービスからフィードバックされリアルタイムのデータを利用できます。  

Vaults パネルで、Component Item のサプライチェーン情報へはこの Item の Supply Chain 画面からアクセスできます。Solutions の項目から、Part Choice List Item のインターフェースとなる Part Choices ダイアログへアクセスできます。必要な Manufacturer Part を検索し、それをリストへ追加します。設計変更の要求(パーツ選択はあなたが行います!)に関して利用できるオプションが無い場合、リストから既存のパーツを削除します。選択を保存する時、新しいPart Choice List Item は作成されその Component Item へリンクされます。または、Part Choice List Item が既に存在する場合、新しいレビジョンとして保存されます。 

実装中、Component Item を実行するために使用できる市場の manufactured parts を検索し選択。市場の価格や入手可能かの情報は、選択した Manufacturer Parts へリンクした全ての Vendor から直接、フィードバックされます。

Vault ベースのコンポーネントを配置

Vault ベースのコンポーネントの配置は容易です。しかし、何かする前に初めにコンポーネントを受け取る回路図シートが Altium Designer で開いていてアクティブドキュメントであることを確認します。 

Vaults パネルが開くので、そこで配置したい Component Item を閲覧、または検索します。それから、必要なコンポーネント(一般的に最新のもので、この場合、トップレベルの Item の項目で直接、右クリックします)の特定のレビジョンを右クリックし*Place* コマンドを選択します。Libraries パネルを経由してその他のライブラリタイプから配置するのと同様に、コンポーネントはカーソルに表示されるので、クリックして配置します。配置位置は、後でドラッグして調整できます!

vault ベースのコンポーネントを配置!

Where Used 機能

Altium Vault のデータ構造は 'where used' を確認できる機能をサポートします。どんな時でも、vault の親 Item の点から特定の子アイテムが使用されている場所を確認できます。そのため、与えられた domain モデルについて、どのコンポーネント Item がそれを参照するか素早く識別できます。与えられたコンポーネント Item について、管理された回路図シート等で使用されているボードデザインを確認できます。逆に言うと、親 Item の観点から素早くその子を閲覧できます。

Where-used の機能により、vault の親子の関連を素早く閲覧できます。

この方法で、vault の content を確認する機能は時間を節約する利点があります。例えば、コンポーネントが何らかの理由で非難された、または廃品になった場合、素早く識別できます。そして、それが配置された回路図シートやボードレベルデザインを引き抜き、その他のコンポーネント(承認されたコンポーネントと同等)を使用して新しいレビジョンとしてそれらの Item を更新、再リリースできます。 

車輪の再発明のことわざのように、あなたが使用する必要があるデザインのコンポーネントを見つけた時、既に他で使用されています。それらのデザインが量産の状態である場合、そのコンポーネントは既に証明されているので問題なく進行できます。信頼が保証されて次のデザインで再利用できます。 

回路図で Vault ベースのコンポーネントを管理 

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初めに、vault ベースのコンポーネントをボードデザインの回路図シートへ配置した後、vault 内のソース Component Item へ変更を反映し、それらのコンポーネントを更新する必要があります。言い換えると、vault の実体とデザインを同期することを意味します。 

例えば、Component Item のソース定義は再リリースされ、子モデルへ変更を反映しているかもしれません。これは、その Component Item の新しいレビジョンとなります。配置されたその Item は古いレビジョンを使用しています。そのため、最新のレビジョンを使用するためにそれを更新したいかもしれません。あるいは、別のコンポーネントを使用して、デザインで既存のコンポーネントを変更する必要があるかもしれません。 

各配置されたコンポーネントは vault の Component Item へ戻ってリンクします。この情報は、コンポーネントの属性ダイアログで見つけることができます。 

配置された vault ベースのコンポーネントが、vault にある特定のレビジョンの Component Item へリンクした例。

この最下位のコンポーネントレベルで、配置されたコンポーネントは、Choose ボタンをクリックして同じ Component Item(または、別の Component Item へ変更した)のより後のレビジョンへ更新できます。Item(そのレビジョン)がソース vault にリンクし、Choose Item ダイアログが表示されます。より後のレビジョンを選択、または使用する他の Component Item を閲覧します。  

配置されたコンポーネントを更新した例。

個々のコンポーネントを更新できるのは便利ですが、多くのコンポーネントを扱っている時、面倒になります。このために、バッチのような方法で複数の変更を行うために1つの集中した場所が必要です。Item Manager (Tools»Item Manager) を実行します。 

Item Manager は、ソース Item を vault へリンクし、回路図シートに配置した vault ベース(または、'管理された')のデザインの実体を同期するための 'command-central' です。それは、1つの回路図シート(free document)、またはボードデザインプロジェクトの回路図に配置された、管理されたコンポーネントと/またはシートシンボルを表します。レビジョン、ライフサイクル状態やソース vault に関する Item の情報が、各実体へ渡されます。 

どのように更新するか管理された実体をコントロールできます。目的の項目を選択し、Item のより後のレビジョンを選択します。それと同じ Item を利用する項目を選択し、次のレビジョンを選択します。提案した全ての変更は、管理者が確認できます。 

必要に応じて、変更を設定すると、Engineering Change Order (ECO) が生成されそれらの変更を行う動作を閲覧できます。必要に応じて、動作を無効にします。準備が完了したら、ECO を実行します。変更が反映されます。配置された vault Item は、素早く効率的に管理できます。 

Item Manager の更新機能を使用して、リンクしたソース vault Item と共に回路図に配置された vault ベースの Item を同期。

Item Manager は、vault 内のソース Item への変更と、デザイン内に配置されている管理されたコンポーネントを同期するために使用できるだけでなく、既存のボードデザインの移行(管理されていないデザイン Item から、管理された vault ベースのデザイン Item へ)で役立つツールです。一度、デザインコンポーネントを SCHLIB、PCBLIB、CMPLIB、回路図シート(デバイスシート)をリリースした vault へ移行したら、Item Manager を使用して、既存のコンポーネントやシートシンボルを新しく移行した vault ベースのコンポーネントへ '置き換え' ます。言い換えると、設計の観点からコンポーネントは同じままですが、ソースコンポーネントは変更されます。自動一致機能は、管理されていないコンポーネントやシートシンボルを vault の Item へ素早く一致させることができます。一致は、vault の管理された Item の Comment の項目と共に、管理されていない Item の Design Item ID 間で行われます。

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