Gerber X2 の対応

Gerber X2

PCB デザインを製造、実装ファイルフォーマットでエクスポートする Altium Designer の既存の機能に加え、新しい Gerber X2 フォーマットを個々に、または出力ジョブファイルで利用できます。

Gerber X2 は、既存の Gerber RS-274X 基準を進化させたもので、PCB の製造、実装に関するデータが追加されています。RS-274X 基準と比較して、新しい Gerber X2 フォーマットには、以下のような重要な情報が含まれています:

  • レイヤ構成定義
  • パッドとビア属性
  • インピーダンスを考慮したトラック
  • その他…

新しい Gerber X2 フォーマットの主要な利点は、古い Gerber RS-274X 基準と上位互換であることです。新しい基準へ移行されていない製造/実装業者は、必要に応じて、従来のガーバーファイルの要素を抽出できます。これは、製造ファイルフォーマットを移行したくない業者にとって重要な利点になります。

基板データを製造、実装業者へ移行する場合に Gerber X2 フォーマットを適用する利点は、そのファイルに重要なデータを含めることができるのと、以前の基準と上位互換であることです。CAD-CAM 間で正確な情報を共有して、データの誤った解釈、ファイルエラー、データの変化に関する問題を無くすことができます。

つまり、Gerber X2 と IPC-2581 フォーマットは、ボードデザインから製造データを生成するための新しい方法です。

Gerber X2 エクスポート

PCB ファイルをアクティブにし、メニューから File » Fabrication Outputs » Gerber X2 Files を選択して Gerber X2 ファイルをエクスポートできます。Gerber X2 Setup ダイアログが表示されます。そこで、出力レイヤ、ドリルオプション、全般的な設定を定義します。


Gerber X2 出力設定は、標準のガーバー出力と同様です。

設定

Gerber X2 は、以前のガーバーフォーマットより正確になっていて、高度な内容が含まれていますが、その設定は容易です。Gerber X2 Setup ダイアログには、以下のオプションを含む全般的なガーバー設定(左)と、Layer/Drill タブがあります:

Units

生成したファイルで使用した単位。

  • Inches - インチ単位系の場合(ミル (1/1000 インチ) で出力する場合)、有効にします。
  • Millimeters - ミリ単位系の場合(ミリメートルで出力する場合)、有効にします。

Format

座標データの精度(PCB ワークスペースでのオブジェクトの配置精度に合わせます、または製造業者が指定する精度(通常、最も高い精度: 2:5 に設定)に合わせます)を指定します。

  • 2:3 - 2:3 フォーマットは、1 mil (1/1000 インチ) の精度です。
  • 2:4 - 2:4 フォーマットは、0.1 mil の精度です。
  • 2:5 - 2:5 フォーマットは、0.01 mil の精度です。

これらのオプションでは、ガーバーファイルの出力座標の精度を指定します。最初の数字は、小数点より前の桁数を、2 番目の数字は、小数点より後の桁数を表します。例えば、2:3 フォーマットの場合、ガーバーファイルの最も大きい数字は、99.999 インチ、最も小さい数字は、0.001 インチ (1 mil) になります。

Plotter Type

ガーバーファイルは、‘film’ でソートした、またはソートしないデータとして作成できます。ソートは、ベクターフォトプロッターでのみ必要で、ラスター形式のプロッター(内部で初期イメージを作成します)へは適用しません。ソートが、有効な場合、ガーバー生成に時間がかかります。

  • Unsorted (raster) - ラスターマシンを使用(デフォルト)。
  • Sorted (vector) - ベクターマシンを使用。

Aperture Tolerances

これらのオプションは、出力で使用したアパーチャに対する許容差の範囲を設定します。一致するアパーチャがアパーチャリストに無い場合、この許容差の範囲内でアパーチャが存在するかどうか、ソフトウェアは確認します。

適切なアパーチャが、許容差の範囲内で存在しない場合、ソフトウェアは、必要な形状を作成するためにより小さいアパーチャで描画します。このため、この描画に使用する小さいアパーチャが必要です。

  • Plus - アパーチャのプラスの許容差を定義します。
  • Minus - アパーチャのマイナスの許容差を定義します。

 

注意: アパーチャの許容差は、通常、ベクターフォトプロッターのみに使用します(固定の、または提供されたアパーチャファイルが必要です)。アパーチャを PCB から ‘flashed’ として作成した場合、それは必要ありません。許容差が必要無い場合、デフォルトの 0.005 mil のままにします。

Other

  • Optimize change location commands – このオプションを有効にすると、あるオブジェクトから次のオブジェクトへの位置が変わらない場合、X、または Y の位置データは含まれません。
  • Generate DRC Rules export file (.RUL) - DRC Rules Export ファイルを生成するには、このオプションを有効にします。このレポートには、PCB ドキュメントで定義したデザインルールの詳細が表示されます。

Gerber X2 Specific

  • File SubjectFile Subject ドロップダウンリストを使用して、ファイル形式を選択します。これは、Gerber X2 出力で Part 属性として含まれており、以下のようになります:
    • Autodetect – 基板ファイルの種類に基づいて、以下のリストから自動で属性を割り当てます。例えば、1 つの PCB ドキュメントの場合、Single part 属性が割り当てられます。
    • Single – 1 つの PCB。
    • CustomerPanel – board array、または shipping panel。
    • ProductionPanel – working panel、または fabrication panel。
    • Coupon – Coupon (performance test board associated with a main board design)。
    • Other – 上記以外。ファイルで属性に追加した文字は、part を示します。
  • File Comment – 生成した出力に含めるコメントを入力します。

Layers to Plot タブ

Layer to Plot タブでは、Gerber X2 で出力するレイヤを選択するためのチェックボックスがあります。そのリストでは、エンベデッドボードアレイのレイヤ構成も表示できます。レイヤ構成の無効なレイヤは、赤色で表示されます。

  • File name – ガーバー出力ファイル名。そのファイルのレイヤ名が割り当てられ、.gbr の拡張子を使用します。プロジェクト名、レイヤと機能に基づき、文字を分割したい時にアンダースコアを使用します。
  • Layer Name – 出力ファイルへ適用するレイヤ名(基板のレイヤ構成で定義した)。
  • Plot – ガーバー出力するレイヤを選択するためのチェックボックス。Plot Layers ドロップダウンメニュー(Layers To Plot リストの下部)を使用して、一括で選択できることに注意してください。一括選択は、右クリックメニューからでも可能です。


一括選択は、Layers To PlotDrills リストから可能です。

Drills タブ

Drills Drawing タブでは、生成するドリルファイルがリスト表示されます。そこで、生成するドリルファイルを個々に、またはまとめて選択できます。


リスト表示されたドリルファイル。

これには、Drill drawing や Guide の出力が含まれています。drill drawing は、PCB 上の各ドリルの場所を、ドリルサイズごとに異なるシンボルで出力します。drill guide は、各ドリルの場所を小さい十字で出力します。スルーホール(plated)、ノンスルーホール(non-plated)、ブラインド/ベリードビアは、種類ごとにファイルを分割して出力できます。

  • File Name – Gerber X2 基準を満たすために構成したドリル出力ファイル名。
  • Drill Layer Pair – ドリル穴のファイルに関連するレイヤペア。レイヤペアは、 Altium Designer の Layer Stack Manager 内にある Drill Pair Manager で設定します。
  • Plot – ドリルを出力するためのチェックボックス。各ファイルタイプの上(Drill drawing, Drill guide 等)にあるチェックボックスは、その項目にある全てのファイル選択を切り換えできることに注意してください。また、Plot Drills ドロップダウンメニュー(Drills リストの下部)を使用して、一括選択できます。一括出力選択は、右クリックメニューからも利用できます。

 

生成した出力/ドリルファイル

PCB から直接、生成したら、Gerber X2 出力ファイルは、プロジェクトに追加され、Projects パネルの GeneratedText Documents フォルダ下に表示されます。デフォルトで、そのファイルは、プロジェクトのソースディレクトリにある Project Outputs for... フォルダ内に保存されます。

生成したガーバー出力は、複合の CAM ドキュメント(編集して、現在のプロジェクトへ保存できます。また、CAMtasitic パネルを介して管理できます)として表示されます。

 

生成した出力を Altium Designer の CAM エディタで自動で開くようにするには、Options For Project ダイアログ (Project » Project Options) の Options タブにある Open outputs after compile オプションを有効にしてください。

出力ジョブによる Gerber X2 出力

出力ジョブから Gerber X2 ファイルをエクスポートするには、Fabrication Outputs の項目にある Add New Fabrication Output をクリックします。そして、Gerber X2 Files を選択し、エクスポートする PCB を選択します。

 
Gerber X2 エクスポートは、出力ジョブの Fabrication エクスポート オプション下で利用できます。

他の Fabrication outputs と同様に、出力ジョブを実行すると、Gerber X2 ファイルは、出力ジョブの Output Containers で定義した通りにエクスポートされます。

これは、設定した Vault container やパス、または Preferences ダイアログ (DXP » Preferences) のData Management – Publishing Destinations で定義したローカル/リモートの配布場所へ保存されます。


設定した出力ジョブからローカルフォルダへ Gerber X2 ファイルを生成。

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