改善されたポリゴンの編集と管理
今日のたいていの基板設計では、銅箔領域を作成します(Altium Designer では、ポリゴンを配置して、これを容易に作成できます)。Altium Designer 14.3 では、ポリゴンの編集機能を改善しました(ポリゴンの作業を容易にします)。
鍵となる変更は以下です:
- Unpoured モード(ポリゴンは外形で表示されます)の導入。
- 改善された編集方法(改善された再形成機能)。
ポリゴンが unpoured 状態の時、下図のように細いラインで形状が表示されます。
unpoured ポリゴンは、以下の操作が可能です:
- 以下で説明する通り、ポリゴンの端、または頂点をクリックしてドラッグし再形成できます。
- ポリゴンをクリックしてドラッグし新しい位置へ移動できます。
- 右クリックメニュー、または Tools » Polygon Pours サブメニューから Repoured できます。
- 右クリックメニュー、または Tools » Polygon Pours サブメニューから再度、Unpoured できます。
- Polygon Repour オプションを Always に設定して、自動で repoured できます。
- Unpoured Polygon デザインルール (Electrical カテゴリー) で検出できます。検出された時、unpoured ポリゴンを repour するかどうかのメッセージが表示されます。unpoured のままにした場合、ルール違反としてハイライト表示されます。
ポリゴンを自動で Repour する時のコントロール
ポリゴンを自動で repour するには、Polygon Repour オプション(Preferences ダイアログの PCB Editor — General ページにあります)を使用します。
Polygon Repour オプションを以下のように設定します:
- Never - ポリゴン編集後、Unpoured に切り換えます。そして、Repour コマンドを実行するまでこの状態が保持されます。repour するには、ポリゴンを右クリックし Polygon Actions » Repour を選択するか、または Tools » Polygon Pours サブメニューを使用します。
- Ask - 修正した unpoured ポリゴンを repour するかどうかのダイアログ(下図) が表示されます。
- Always - 編集時、常に自動でポリゴンを repour します。
Unpoured ポリゴンの作業
unpoured ポリゴンは、細い外形で表示されます。unpoured 状態の外形は電気的なオブジェクトではなく、clearance、または short circuit のようなルール違反は起こりません。その外形は、ポリゴンが存在することを確認し、必要に応じて編集できるようにするために表示されます。
unpoured ポリゴンをセレクト、またはダブルクリックして編集するには、ポリゴンの端をクリックします。
Poured と Unpoured への変更
poured の状態はポリゴンの属性を表し、poured と unpoured を容易に切り換えできます。
以下が可能です:
- Polygon Pour ダイアログ、PCB Inspector パネル、PCB List パネル、Polygon Manager で IsPoured チェックボックスを切り換えます。
- ポリゴンを右クリックし、Polygon Actions サブメニューから Poured、または Unpoured コマンドを選択します。
- Tools » Polygon Pours サブメニューの Poured、または Unpoured コマンドを選択します。
- Polygon Manager のPouring ボタンをクリックし、Pour、または Unpour を実行します。
ポリゴンの形状を編集
ポリゴンの形状は、頂点、または端をクリックしドラッグして編集します。この編集は、poured、または unpoured ポリゴンで行えることに注意してください。
グラフィカルにポリゴンの形状を編集するには、ポリゴンをクリックしてセレクトします。それから、クリックしてドラッグします(編集方法はカーソルを置いた位置で変わります)。以下の動画では、様々な編集方法を示します。Shift+Spacebar を押して 3 つの編集方法を切り換え、緑色のガイドラインを使用して頂点を正確な場所に配置できます。現在のモードは、ヘッドアップやステータスバーに表示されます。
頂点を削除、または追加するには、Ctrl を押したままにします(反応があるまで、しばらくクリックしたままにします)。
Shift+Spacebar を押して 3 つの編集方法を切り換え。それから、緑色のガイドラインを使用し頂点を正確な場所に配置。
全てのポリゴンが pour されているか確認できるように、Unpoured Polygon デザインルールを追加しました。DRC を実行した時に unpoured ポリゴンを検出するには、Unpoured Polygon デザインルールを作成し、有効にします。unpoured ポリゴンを検出した場合、Confirm ダイアログ(unpoured ポリゴンが検出された警告)が表示されます。再構築するには、Yes をクリックします。
Allow unpoured チェックボックスに注意してください。これは、必要に応じて、特定のポリゴンを unpoured のままにするために使用できます。
Shelving 機能はどうなりましたか?
ポリゴンを unpoured にしたことで、shelving 機能を削除しました。何故ですか? 何故なら、shelving 機能は長所はありましたが、欠点もありました。最も大きな欠点は、shelved ポリゴンは表示されないため、その存在を見落とす場合があった点です。また、検出もできませんでした(これは、ポリゴンを shelve したことを気づかないでそのまま設計を進めてしまうことを意味します)。
Unpoured ポリゴンは、この双方の点に対応できます。unpoured ポリゴンによる影響は無く、その領域で自由に配線しオブジェクトを配置できます。それから、ポリゴンの状態を Is Poured に設定できます。
Shelving を Unpoured に変更し、いくつかのメニューが変更されました。下図は、そのメニューを示します。
古いメニューには、多くの Repour コマンドが含まれていましたが、最新のメニューでは、Rebuild コマンドに変更されました。Unpoured 状態を導入して、Rebuild と言う表現は、ポリゴンを再解析、再計算することを意味するように Repour と言う表現に変更しました。