Satellite Vault から Altium Vault サーバ、または Personal Vault へ移行

 

Altium Satellite Vault サーバ (または、'Satellite Vault') では、Altium の Vault Technology や Altium の設計データ管理ソリューションの基礎を利用できました。安全に素早くアクセスして設計データを効率的に扱える、サーバベースの engineering content 管理システムです。また、レビジョンやライフサイクル管理、共有できる design content、where-used 機能を含む機能を利用できました。

また、Satellite Vault は、Altium の Vault による Electronics Design methodology(デザインを再利用する概念で、デザインの全ての要素を Altium Vault から入手してエレクトロニクス設計を行う)で鍵となる役割を果たしました。そのため、Vault は設計領域からリリースしたデータの場所と、デザインに戻して使用するためのデザイン要素のソースから成ります – 新しいコンポーネントで再利用できるモデル、サブ回路で再利用できるコンポーネント、modular assembly のデザインで再利用できるサブ回路、最終的により大きなデザインで modular assembly を再利用。

Altium はこの既存の Vault Technology を拡張し、Altium Vault の後継として設計データ管理ソリューションで使用するために Altium Vault サーバ Altium Personal Vault  (または Personal Vault) を追加しました。まだ、Satellite Vault へ接続してそこで作業できますが、このタイプの vault は Altium Designer の新しいバージョンで使用できません。これをサポートするために、データを Satellite Vault から新しい vault のいずれかへ移行できます(Vault Migration Tool)。

このアーティクルで、従来の Satellite Vault から Altium Vault サーバ、または Altium Personal Vault へデータを移行するプロセスを説明します。チュートリアルのようですが、そこまで厳密な内容ではありません。そのため、現在の機能の利点、将来的な改善点、新しい vault テクノロジーを含むステップを会話するようにこのアーティクルを考えてみます。

移行プロセスを実行する前に、Altium Designer から Altium Vault サーバ、または Altium Personal Vault へ接続するには、Altium Designer 13.0 (または、それ以降) でのみ可能であることに注意してください。Altium Designer 10/12 の場合、Satellite Vault のみ接続できます。

Altium Vault サーバや Altium Personal Vault のインストールプロセスを含む詳細な情報については、アーティクル Altium Vault Technology を参照してください。

移行前の準備

移行を行なう前に、必要なステップ('移行前' のチェック)があります。

  • Vault Migration Tool を表示するには、小容量の実行ファイル VaultMigrationTool-<VersionNumber>.exe を最初にダウンロードし実行する必要があります。この実行ファイルは、Altium web サイトの Downloads ページからダウンロードします。そして、ハードディスクの任意の場所に保存します。ダウンロードした zip ファイルを抽出します。そこには、この実行ファイルや、VaultMigrationTool.exe.manifest(管理者として実行できます)、VaultMigrationTool.sql(ソースやターゲット vault データベース間をスマートに移行できます)、VaultMigrationTool.ini(移行設定中に入力した AltiumLive クレデンシャルを保存するために使用します)のファイルが含まれています。
  • コンピュータに、ターゲット vault(Altium Vault サーバ、または Altium Personal Vault)をインストールしておく必要があります。インストールは、vault にデータが含まれないように、新しくインストールする必要があります。しかし、移行前にユーザやグループ(Altium Vault サーバに関する)を定義できます。
  • ターゲット Altium Vault サーバ、または Altium Personal Vault をSatellite Vaultと同じコンピュータにインストールしていない場合、Satellite Vault の Data フォルダ(Files サブフォルダを含む)をターゲットコンピュータへコピーする必要があります。

Satellite Vault サーバのインストール時の Data フォルダは、デフォルトで \Program Files (x86)\Altium Satellite Vault Server\AltiumVault\Data に保存されます。

また、移行プロセスを進める前に、ソース Satellite Vault やターゲット Altium Vault サーバ/Personal Vault から Altium Designer を切断することを強くお薦めします。

データの移行

VaultMigrationTool-<VersionNumber>.exe ファイルを右クリックし、Run as administrator を選択します。Vault Migration Tool ダイアログが表示されます。

Vault Migration Tool を使用して、データを従来の Satellite Vault から Altium Vault サーバ、または Personal Vault へ移行。

このツールは、ダイアログ上部にあるオプションから 2 種類の目的に使用できます:

  • Migrate from Satellite vault
  • Update supply chain information in a Vault Server database to be used with Altium Vault Server 1.1

デフォルトで、最初のオプションが有効になっています。2 番目のオプションは、以前にバージョン 1.0 の Altium Vault サーバで作業していたユーザのためのものです。これは、Global Part Catalog からAltium Vault サーバのバージョン 1.1 に関連した Local Part Catalog へ移行して、サプライチェーン情報(Part Choice List Item で定義した)を更新するために実行します。

データを Satellite Vault からバージョン 1.1 の Altium Vault サーバへ移行する時、サプライチェーン情報は自動で更新されます。Altium Vault サーバ 1.0 から Altium Vault サーバ 1.1 へ更新する時、サプライチェーン情報を更新するには Vault Migration Tool を使用する必要があります。詳細な情報については、QuickGuide - Upgrading to Version 1.1 of the Altium Vault Server をご覧ください。

移行するオプションを有効にし、ダイアログ内の様々な欄を使用して、移行プロセスで必要な情報を指定します。この情報は、主にソースやターゲット vault のインストールパスに関連します。その場所に、Satellite Vault のデータが保存されています。それらの欄には、インストールされている Vault のデフォルトに基づいた情報が最初に表示されます。

  • Source Vault Path – この欄はオプションです。ソース Satellite Vault やターゲット Altium Vault サーバ/Personal Vault が同じコンピュータにインストールされている場合、Satellite Vault の実行ファイルが保存されているフォルダのパスをここに入力します。デフォルトの場合、\Program Files (x86)\Altium Satellite Vault Server\AltiumVault になります。他のコンピュータから Satellite Vault の Data フォルダをコピーした場合、この欄はブランクです。
  • Source Database File – Satellite Vault データベースファイルのパスをここに入力します。ターゲット Altium Vault サーバ/Personal Vault と同じコンピュータに Satellite Vault をインストールしている場合、デフォルトでこれは \Program Files (x86)\Altium Satellite Vault Server\AltiumVault\Data\EmbFirebirdDb.fdb になります。コンピュータ間でData フォルダをコピーした場合、これはそのフォルダを保存した場所になります。
  • Source File Repository Path – Satellite Vault ファイルリポジトリのパスをここに入力します。ターゲット Altium Vault サーバ/Personal Vault と同じコンピュータに Satellite Vault をインストールしている場合、デフォルトでこれは \Program Files (x86)\Altium Satellite Vault Server\AltiumVault\Data\Files になります。コンピュータ間で Data\Files フォルダをコピーした場合、これはそのフォルダを保存した場所になります。
  • Destination Vault Path – ターゲット vault の実行ファイルが保存されているフォルダのパスをここに入力します。ドロップダウンリストを使用して、デフォルトの Altium Vault サーバ (\Program Files (x86)\Altium\DXP Apps Server\Vault)、またはPersonal Vault (\Program Files (x86)\Altium\Personal Vault\Vault) のインストールパスを素早く選択できます。
  • AltiumLive User – AltiumLive ログインクレデンシャルのユーザ名(E メール)をここに入力します。
  • AltiumLive Password – AltiumLive ログインクレデンシャルのパスワードをここに入力します。

Source Vault Path、または Destination Vault Path 欄をダブルクリックすると、Select Directory ダイアログが表示されます。そこで、ディレクトリを探したり選択できます。

AltiumLive ログインクレデンシャルを設定すると、Vault Migration Tool が有効になり Satellite Vault へアクセスできます。その認証は、AltiumLive ベースの Identity Service (IDS) によって行われます。

ダイアログを表示する度に、デフォルトパスが使用されます。AltiumLive クレデンシャルは、何度も入力する必要が無いように保存され適用されます。これらは、VaultMigrationTool.ini ファイルに保存されます。欄の内容が変更されるとそのファイルは更新されます。

必要な情報を指定し Run ボタンをクリックして、移行を進めます。移行を進めると、ダイアログ下部の領域にツールの進捗状況を示すメッセージが表示されます。最後のメッセージに "Migration successfully finished" と表示されるとプロセスは完了です。

Personal Vault へ Satellite Vault データの移行が完了したメッセージの例。

Altium Vault サーバへ移行する時、AltiumLive クレデンシャルを持っているユーザはvaultへアクセスしているユーザのリストに追加されます。同様に、他の人が作成したソースSatellite Vault に Item がある場合、個々の AltiumLive ログインクレデンシャルに基づいて追加のユーザが作成されます。これらのユーザは、最初は管理者権限はありません。

ダイアログの右下にあるコントロールは、移行メッセージをコピー、保存するために使用できます。メッセージ画面の内容を Windows のクリップボードへコピーするには、Copy log ボタンを使用します。Save log ボタンを使用すると、標準のSave As ダイアログが表示されます。ここから、移行の流れを標準のテキストファイル (*.txt) に保存できます(ファイルを保存する場所とファイル名を決めることができます)。デフォルトで、そのファイル名は MigrationToolLog.txt になります。

移行後の Vault へのアクセス

移行を完了すると、再度、Altium Vault サーバ、または Personal Vault へ接続できます。Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページから接続した後、Altium Vault サーバ/Personal Vault の NameDescription が変更されます(サフィックス (migrated) 付きで Satellite Vault の name と description が使用されます)。これらは、vault のプロパティを編集して変更できます。

移行プロセス後、Satellite Vault へ接続できます。データは、ターゲット Altium Vault サーバ/Personal Vault へ '移動' されるのではなく、データのコピーがターゲット vault へインポートされます。しかし、オリジナルの Satellite Vault の Globally Unique Identifier (GUID) はターゲット vault へコピーされるため、Altium Designer から同時に両方の vault へ接続できません。 

Name と Description(移行データは Altium Vault サーバ/Personal Vault に含まれていることを示す)はソース Satellite Vault から継承されます。

また、Vaults パネルを開いて、ソース Satellite Vault にあったデータ、フォルダ構造や Item をターゲット Altium Vault サーバ/Personal Vault へ移行したことを素早く確認できます。

Vaults パネルから、データを移行したことを確認。

トラブルシューティング

以下は、移行プロセス(データをターゲット vault へインポート)が中断される一般的な原因です。

Utility が Admin として実行されない

utility が administrator として実行されません。これは、右クリックして Run as administrator コマンドを選択しないで、VaultMigrationTool-<VersionNumber>.exe ファイルをダブルクリックした場合に起こります。

utility は、Windows Administrator として実行する必要があります!

ターゲット Vault が空でない

ターゲット vault が空でありません。item が無いフォルダでもデータとして数えられます。ターゲット Altium Vault サーバ/Personal Vault は、データが無い状態にするため新しくインストールする必要があります。

ターゲット vault は、新たにインストール(データが存在しない状態に)する必要があります!

誤った Source Vault Path

Source Vault Path に誤りがあります。ここで入力したパスは、Satellite Vault の実行ファイルが保存されているパスになり、それは、Satellite Vault のデフォルトのインストールフォルダ(\Program Files (x86)\Altium Satellite Vault Server\AltiumVault\_AltiumVaultResources\Private フォルダ)にある Satellite Vault の configuration ファイル(Config.ini )を見つけるために使用されます。この configuration ファイルには、データベースと vault のファイルリポジトリのパスが含まれており、その欄に自動で表示されます。デフォルトのインストールパスを使用しない場合、このパスを正しく入力します。Satellite Vault の Data フォルダを他のコンピュータ(Satellite Vault がターゲット Altium Vault サーバ/Personal Vault と同じコンピュータにインストールされていない)から持ってきている場合、この欄の記述を削除し正しいパスを手動で入力します。

Source Vault Path の入力に誤りがあると、config ファイルを見つけることができません。そのため、データベースやファイルリポジトリのパスは自動で表示できません。

誤った Source Database File Path

Source Database File パスに誤りがあります。そのため、Satellite Vault database file(EmbFirebirdDb.fdb)を見つけることができません。

Satellite Vault の database file パスに誤りがある例。

誤った Source File Repository Path

Source File Repository Path に誤りがあります。そのため、Satellite Vault ファイルの保存ディレクトリ(\Data\Files)を見つけることができません。

Satellite Vault のファイルリポジトリ パスに誤りがある例。

誤った Destination Vault Path

Destination Vault Path に誤りがあります。ここで入力したパスは、Altium Vault サーバ/Personal Vault の実行ファイルが保存されているパスになり、それは、vault の configuration ファイルを見つけるために使用されます:

  • Altium Vault サーバ – Altium Vault サーバのデフォルトのインストールフォルダ(\Program Files (x86)\Altium\DXP Apps Server フォルダ)にある LocalVault.ini ファイル。
  • Altium Personal Vault – Altium Personal Vault のデフォルトのインストールフォルダ(\Program Files (x86)\Altium\Personal Vault フォルダ)にある LocalVault.ini ファイル。

このファイルには、ターゲット vault のデータベースやレビジョンファイル フォルダの場所に関する情報が含まれています。

Destination Vault Path に誤りがあると、config ファイルを見つけることができません。そのため、データベースやレビジョン
ファイルのパスを取得できません。

誤った AltiumLive クレデンシャル

ユーザ名(E メール)、パスワード、またはそれらの両方に誤りがあります。AltiumLive Identity Service (IDS) は、無効なユーザ名/パスワードの組み合わせを認識しません。そのため、Satellite Vault へアクセスできません。

正しい AltiumLive クレデンシャルを入力してください!
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