入門チュートリアル - デザインを FPGA デバイスへターゲット

ここまででデザインの 作成段階 は終了したため、使用する物理 FPGA デバイス (デザインのターゲットと、デザインを最終的にプログラムし実行する媒体) を指定する必要があります。このチュートリアルでは、Desktop NanoBoard NB2DSK01 に挿入する、3 コネクタ付きドータボード上の FPGA デバイスをターゲットに指定します。

物理的インプリメンテーションのためのデザインのマッピングや制約条件のプロセスは、制約条件ファイル(ターゲットデバイス、ポート-ピンのマッピング、ピン IO 基準等のようなインプリメンテーションの詳細を指定するファイル)の作成を通じて実行されます。論理合成に必要な最小限の情報はデバイスの仕様です。

制約条件ファイルのセットは、制約条件ファイルの名前の単なるリストであるコンフィギュレーションを生成することで、デザインのターゲッティングを行っています。

デスクトップ NanoBoard NB2DSK01 への配置における制約条件のシステムは、様々な制約条件ファイルをカバーしています:

  • リソースと、NB2DSK01 マザーボード、サテライト ペリフェラルデバイス、ドータボードへのピンマッピング
  • サテライトボード(ペリフェラルボードとドータボード)から NB2DSK01 マザーボードへの接続

デスクトップ NanoBoard をターゲットにしている FPGA デザインプロジェクトは手動で設定(コンフィギュレーションを追加し制約条件ファイルを割り当て、手動でマッピングする制約条件ファイルを作成して)できますが、そのプロセスは自動のコンフィギュレーション機能を使用して簡単に行えます。
 

FPGA デザインプロジェクトを自動的にコンフィギュレーションできるようにするには、システムで使用中のハードウェアを特定できる Altium Designer の能力が鍵になります。ハードを特定する機能は、NB2DSK01 マザーボード、3 コネクタドータボード、ペリフェラルボード上にある 1 ワイヤベースのメモリデバイスで決まります。

 
この機能を使用して、FPGA デザインプロジェクト用のターゲットコンフィギュレーションは自動的に生成されます。必要なボードレベルの制約条件ファイルは、その後、自動的に定義され、システム内で見つかったハードウェア(マザーボード、ドータボード、ペリフェラルボード)をベースにして、コンフィギュレーションに追加されます。追加マッピングの制約条件ファイルもまた、生成され、コンフィギュレーションに追加されます。これにより、システム内(ドータボードやペリフェラルボード)に検知されたサテライトボードとマザーボードとの接続が取り扱われることになります。

注: 古い 2 コネクタの Altium のドータボードも、デスクトップ NanoBoard NB2DSK01 と一緒に使用することができます。ただし、自動コンフィギュレーションに必要なメモリデバイスは保持しません。

それでは FPGA プロジェクトを設定します。

  • 自動コンフィギュレーション機能を使用する前に、以下を確認してください:
    • デザインのターゲットとなる FPGA デバイスが搭載された 3 コネクタ付きドータボードが、NB2DSK01 マザーボードに挿入されていること。
    • 我々の単純なカウンタデザインでは、プラグインペリフェラルボード上に常駐するリソースを使用しません。これらのボードは、マザーボードに接続したままでも取り除いてもかまいません。
    • NB2DSK01 が USB (または、パラレル) 接続を経由して PC に接続され、電源が投入されていること。
  • Devices ビューを開きます (View » Devices View)。Live オプションを有効にし、Connected の表示が緑になっていることを確認します。
  • 自動コンフィギュレーション機能にアクセスできるようになります。実行には 2 つの方法があります。このチュートリアルでは、どちらの方法も考慮する価値があります。ここでは、以下の方法のうち、1 つだけを取り上げて自動コンフィギュレーションプロセスを実行します:

方法 1: デスクトップ NanoBoard のアイコン(ビュー内の NanoBoard チェーン)上で右クリックし、表示されるメニューから Configure Fpga Project » Simple_Counter.PrjFpg を選択します(図 1)。

図 1. 自動コンフィギュレーションを Devices ビューから指示。

方法 2: デスクトップ NanoBoard のアイコンの上でダブルクリックし、NanoBoard Controllers パネルの Instrument Rack 関連の計器にアクセスします。その後、Board View ボタンをクリックして、NanoBoard Configuration ダイアログにアクセスします。ダイアログの左下から Auto Configure FPGA Project のドロップダウンを使用して、Simple_Counter.PrjFpg (図 2) を選択します。ダイアログを使用して、既存のデスクトップ NanoBoard NB2DSK01 システムの概要を表示できます。ダイアログ内のイメージは、マザーボード NB2DSK01 に物理的に接続されている特定のペリフェラルボードとドータボードを表しています。

図 2. NanoBoard Configuration ダイアログからの自動コンフィギュレーション。

自動コンフィギュレーションプロセスが実行されます。以下を参照してください:

  • コンフィギュレーションが生成されると、Simple_Counter プロジェクトに追加されます。コンフィギュレーションの名称は、デスクトップ NanoBoard と使用されているドータボードのバージョンに依存します。一般的なフォーマット名は次のとおりです:
    motherboard code_revision_daughter board code_revision
    例えば、デスクトップ NanoBoard NB2DSK01(レビジョン 8)で、ザイリンクス Spartan-3 のドータボード DB30 (レビジョン 6)を使用している場合、コンフィギュレーションは、NB2DSK01_08_DB30_06 と言う名前になります。
  • 制約条件ファイルは、その後、システム内に検出されたそれぞれのボード(マザーボード、ドータボード、ペリフェラルボード)用のコンフィギュレーションに追加されます。これらは、Altium Designer がインストールされているフォルダの \Library\Fpga\NB2 Constraint Files ディレクトリにソースがあります。各ケースで使用されるファイルは、ボードのタイプとバージョンで決まります。例えば、Xilinx の Spartan-3 ドータボード DB30(レビジョン 6)を使用する場合、読み出されて、コンフィギュレーションに追加される制約条件ファイルは、DB30.06.Constraint になります。
  • ドータボードとペリフェラルボードのマザーボードへのマッピングを定義する制約条件ファイルも作成されて、直ちにコンフィギュレ-ションに追加されます。このファイルの名前は、末尾に '_BoardMapping' の付いた、コンフィギュレーションそのものの名前になります(例えば、NB2DSK01_08_DB30_06_BoardMapping.Constraint) 等)。ファイルは、プロジェクトファイル (Simple_Counter.PrjFpg) と同じ場所に保存されます。
  • コンフィギュレーションと制約条件ファイルの割り当てが、Configuration Manager ダイアログにリスト表示されます(図 3)。

図 3. コンフィギュレーションと制約条件ファイルの構成(Simple_Counter プロジェクト)。

OK をクリックします。Settings と言う名前のサブフォルダがプロジェクトに追加されて、Projects パネルにリスト表示されます。制約条件ファイルそれ自体は、Constraint Files サブフォルダにリストされます。 

図 4. コンフィギュレーションに追加された制約条件ファイル。
  • プロジェクトファイルを保存します。

これで、デザインのコンフィギュレーションは完了です。ドータボード FPGA デバイスをターゲットにして プロセスを開始 し、最終的にデバイスをプログラムします。 

更に

Design Portability, Configurations and Constraints.
Understanding the Desktop NanoBoard NB2DSK01 Constraint System.

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