配線の準備
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コンポーネントをボード上に配置したら、配線できます。配線機能を実行する前に、配線プロセスを管理する機能を考えてみます。
配線する準備ができていますか?
PCB デザインで 90% の配置と 10% の配線と言った言葉があります。各割合について考えることができますが、一般的に良いボード設計を行うにはコンポーネントの配置が最も重要です。配線する時に配置を調整する必要があるかもしれないことを心に留めておいてください。もしかすると、配線を改善するために配置を微調整して、最初に密集した領域でテスト的に自動配線するかもしれません。
配線の優先
どこから配線しますか? 一般的にオートルータは1つずつ connection を配線します。ところが、人は多くの connection の影響を同時に考えることができます。目的の配線を行うためにオートルータでも配線の connection の順番を考慮する必要があります。それは、connection 長、connection 密度、配線レイヤの方向の割り当て、配線方向へ connection 方向を整列等のような要素を使用します。また、それがどんなに良くても配線する時に常に順番を確認します。人は、同様にこれらの要素を考えますが、2 つのコンポーネント間に 16 本配線する、これらのネットから独立したレイヤペア上で配線する 等、より高度な技術も使用します。
ネットの発見
未配線ボードは多くの connection ラインがボード上で交差します。connection ラインの表示や色設定をコントロールすることで配線プロセスを管理できます。
PCB パネルの使用
大切な機能は、PCB エディタのワークスペースでのマスク、またはフィルタ機能です。この機能は目的のオブジェクト以外を暗く表示します。これを調査するには、PCB パネルのモード(上部のドロップダウンリスト)を Nets に設定します(ボード上のネットがリスト表示されます)。パネルでネット名をクリックすると、ワークスペースでそのネットのノードがズーム表示されパッドとそのネットの connection ライン以外を暗く表示します(目的のオブジェクトを見やすく表示します)。ワークスペースでクリックしてもマスク表示はそのままで、選択したネットは容易に調査、または配線できるよう表示されたままであることに注意してください。マスク表示を解除して全体のワークスペースを通常の明るさに戻すには、ワークスペースの右下の Clear ボタンをクリックします。
個々のネットと同様に、ネットのクラス(クラスを定義した場合)や複数のネット(ネット名を選択するために*PCB* パネルでクリックする時、CTRL キーを押して)をマスク表示できることに注意してください。
Connection Line Color の変更
デザインを回路図から PCB ワークスペースへ移行する時、ワークスペース環境や多くの要素の表示をコントロールするビュー設定が適用されます。ビュー設定は、2D、3D ワークスペースで利用でき、View Configurations ダイアログ(Design - Board Layers & Colors [ショートカット L]\)で定義、編集します。そして、保存、再利用できます。重要なネットを目立たせる容易な方法は connection ラインの色を変更することです。これを行うには、PCB パネルでネット名をダブルクリックし Edit Net ダイアログを開きます。そこで connection ラインの色を編集できます。
Connection ラインの非表示/表示
マスク表示の代替として1つの、多くの、全ての connection ラインを非表示にできます。View - Connections サブメニューに connection ラインの表示をコントロールするためのコマンドがあります。また、作業中に N ショートカットキーを押して、これらのコマンドへアクセスできます。
定義したデザインルールは?
配線する前に、routing デザインルールを設定する必要があります。PCB Rules and Constraints Editor ダイアログを表示するには、メニューから Design - Rules を選択します。ダイアログの左のツリーに 10 個のルールカテゴリ(Electrical から Signal Integrity まで)があります。各カテゴリで多くのルールタイプがあります(例えば、8 つの異なるタイプの routing ルールがあります)。
ルールタイプを選択すると、そのタイプの全てのルールが表示されます。図1 は 4 つの配線幅のルールを示します。rule priority は、ルールの優先度(最高の優先度は1)を定義することに注意してください。
新しいルールを追加するために、例えば、Width ルールタイプを右クリック。 |
図 1. Routing width ルール
そのルールの設定を表示するには、ダイアログの左のツリーの各ルール名をクリックします。各デザインルールに2つの異なる部分(必要条件となる制約と、このルールをターゲットにしたいスコープ)があります。例として、routing width デザインルールを使用します。詳細についてこれから説明します。
ルール制約
ルール制約は、このルールでターゲットにしたオブジェクトに適用したい設定、または制限を指定します。
Width ルールについて、制約条件は配線するトラックセグメントの minimum、preferred、maximum 幅を設定します。min / preferred / max 設定は各ボードレイヤを定義し、ボードをどのように配線するかコントロールできることに注意してください。便利な機能として、配線する時に minimum と maximum 間で routing width を広げたり狭くできます。これについては Changing the Track Width while Interactively Routing の項目を参照してください。
図 2. ルール制約はそのルールの必要条件を定義します。このルールは、routing width が 0.2mm から 0.6mm までになるよう指定。
ルールスコープ
Altium Designer は、デザインの必要条件を正確に指定することができる柔軟なルール定義システムです。オブジェクトの属性として配線の必要条件を定義するよりむしろ、デザインルールは別々に定義します。それから、'このルール を それらのオブジェクト へ適用する' ために、ルールのスコープを介して適用するオブジェクトをターゲットにします。
図 3. このルールがどのオブジェクトをターゲットにするか、ルールのスコープでクエリを入力して指定します。
PCB 設計の必要条件をコントロールできる各ルールの優先度を割り当てる機能と共に、それは各ルールを正確にスコープする機能です。図 2 は、GND ネットをターゲットにしている routing width デザインルールのスコープを示します。もし、ルールのスコープ(クエリ)を All に設定した場合、ボード上の全てのネットへ適用されます。ルールはクエリを記述してスコープを決めます。All、Net、Net Class 等、ダイアログの左のオプションから選択する場合、クエリは自動で記述されます。もし、クエリを記述するのに慣れていない場合、Query Builder を使用してクエリを参照できます。
クエリシステムの概念については、Introduction to the Query Language のアーティクルを、または詳細については An Insiders Guide to the Query Language を参照してください。
Width ルール
最も基本的な routing ルールは、ネットを配線する線幅を決める Routing Width ルールです。最低限、デザインにはボードの全てのネットをターゲットにする1つの width ルールが設定されています。
ボードで必要な最小配線幅に設定した minimum width、最大配線幅に設定した maximum width で、1つの width ルールのみで設計するデザインは良くありません。より良い方法は、All のスコープで最も多いネットをターゲットにする1つのルールを設定することです。それから、GND ネット、または PowerNets ネットクラス(このようなクラスを作成した場合)のような個々のネット、またはネットのクラスをターゲットにするルールを追加します。これらのルールはより高い優先度があります。そのため、これらのネットを配線する時はいつでも、より高い優先度のルールが All ネットルールを無視します。適切な Width ルールは配線する前に定義する必要があります。
Clearance 制約
width ルールと同様に良く活用するルールは、配線しているネットがボードのそのレイヤ上の他のオブジェクトへどれぐらい接近させるか定義する clearance 制約です。また、より高い電圧のネット、または差動ペアネットを他の配線から離すため、ポリゴンを配線から特定の距離を保つため等、複数の clearance 制約を定義できます。適切な Clearance 制約は配線する前に定義する必要があります。
クエリシステムの概念については、Introduction to the Query Language のアーティクルを、または詳細については An Insiders Guide to the Query Language を参照してください。
Routing Layers の設定
配線レイヤ(信号層とも言います)は図 4 のように Layer Stack Manager ダイアログ(Design - Layer Stack Manager)で設定します。このダイアログを使用して、レイヤを追加、レイヤスタックの場所を設定します。
図 4. 電気的なレイヤは、Layer Stack Manager ダイアログで追加します。
全てのレイヤの表示とメカニカルレイヤの追加は、図 5 に示す様に View Configurations ダイアログ (ショートカット L)\ で行います。
図 5. 全てのレイヤの表示は View Configurations ダイアログでコントロールします。
更に
Interactively Routing a Net
Modifying Existing Routing
Differential Pair Routing
Tuning Route Lengths
Multitrace Routing
Fanout and Escape Routes