PCB プロジェクト コンフィギュレーション
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Parent article: 量産リリース
PCB デザインプロジェクト (*.PrjPcb
) は、設計されているオブジェクトを定義するソースドキュメントを含む設計側の実体です。システムをどのように構築するか、どのように働く必要があるか設計チームの目的を表します。定義したバリアントと Output Job ファイルを使用して、それらのパラメータの特質により、1 つの設計プロジェクトを複数の市場での量産 Items(製造、販売する製品)にすることができます。例えば、1 つの PCB 設計プロジェクトは製造された 'bare' ボードだけでなく、1 つ、または複数の実装ボード(各固有の量産 Item)のソースになります。正式なコンフィギュレーション構造を準備して、ソース PCB プロジェクトからこれらの Item へマップするには、Altium Designer では PCB Project Configurations の概念を使用します。
それから、コンフィギュレーションは設計領域から製造領域へリンクします。各コンフィギュレーションは市場で構築したい Item を表し、その Item を構築するために製造領域で必要なデータを定義します。コンフィギュレーションから生成されたデータは、Item を構築するための特定の "指示" として考慮できます。
設計側の観点から、コンフィギュレーションは "PCB プロジェクトのパラメータ構造" と言えます。もう少しこれを正確に言うと、PCB プロジェクトコンフィギュレーションはパラメータで表示されたデータソースの特定の出力です。
PCB プロジェクトとそのコンフィギュレーション間で 1 対 多数 の関係があります。また、コンフィギュレーションと必要な Item を製造(製造、実装ボード)するために使用した Output Job ファイル間で 多数 対 多数 の関係があります。
Configuration Manager
設計側の PCB プロジェクトの各コンフィギュレーションは、製造側の特定の Item へマップします。その出力が、生成された指示、または Item を作成するための '設計図' である時、コンフィギュレーションは、バリアントとプロジェクト Output Job ファイルを定義し、選択した Altium Vault の Item をターゲットへ指名するために必要です。
要約すると、PCB プロジェクトのコンフィギュレーションを定義するために使用した形式的な要素は以下です:
- その名称
- 使用するバリアント(もし、あれば)
- ターゲットにしている特定の Item。リリースを成功させるには、コンフィギュレーションを{{Planned}} 状態のその Item のレビジョンへ示す必要があります。
- Output Job ファイルはその出力の生成(ターゲットにした Item が作成されるものからの指示)を行います。また、特定の Output Job ファイルは、リリースに使用したデザインソースを高品質にし、リリースプロセスを制限することで確認のための出力を含めることができます。
ボードデザインをリリースしている時、コンフィギュレーションは2つのタイプの Item(Blank Board 、または Assembled Board) のどちらかにマップできます。前者は、コンポーネントを含まない製造された bare board です。後者は、生成された BOM(Item をターゲットにしているコンフィギュレーションから出力として生成された、Item を構築するための指示)に従ってコンポーネントと一緒に含まれている Blank Board Item です。
PCBプロジェクトのコンフィギュレーションの全ての定義と管理は、Configuration Manager ダイアログ(Project»Configuration Manager)で行います。
Configuration Manager では必要なコンフィギュレーションを効率的に定義できます。各コンフィギュレーションについて、使用する特定のバリアント(適用できる場合や必要な場合)を指定し、使用する Output Job ファイルを割り当てます。そのコンフィギュレーションをターゲットにする(または、マップする) Item を選択するために、指定した Altium Vault を閲覧します。各コンフィギュレーションは意味のある名称を付けることを忘れないでください。これにより、各目的を容易に確認できます!
以下の項目では、Configuration Manager ダイアログを使用して詳細を説明します。
リリースデータの場所の指定 - Altium Vault
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設計プロジェクト(または、そのプロジェクトのコンフィギュレーション)をリリースして生成されたデータは、Altium Vault に保存されます。Configuration Manager ダイアログには、使用する vault を指定する項目があります。接続した Altium Vault がドロップダウンに表示されます。このリストから必要な vault を選択します。
デフォルトのコンフィギュレーション
Configuration Manager ダイアログを最初にアクセスする時、Default Configuration
と言う名称の1つの基準のコンフィギュレーションが自動で追加されます。コンフィギュレーションはバリアント(実装ボード Item をターゲットにしている場合、全てのコンポーネントを含めます)を無視し、どの Item にもマップされません。プロジェクトに追加した Output Job ファイルがリスト表示されますが、コンフィギュレーションに割り当てられません。
Configuration Manager ダイアログは、分割して左側にコンフィギュレーション、右側にターゲット Item へのマップを表示します。各固有のコンフィギュレーションは、ターゲット vault の固有の Item へマップする必要があります。
コンフィギュレーションの管理
新しいコンフィギュレーションを追加、または既存のコンフィギュレーションを編集、削除するかどうかに関わらず、Configuration Manager ダイアログでは、PCB プロジェクトのためにコンフィギュレーションを定義、管理するためにコントロールできます。
新しいコンフィギュレーションの追加
新しいコンフィギュレーションを追加するには、ダイアログの左側にあるコンフィギュレーション上の Add New Configuration リンクをクリックします。コンフィギュレーション-ターゲット Item ペアは、ダイアログ(左の領域でコンフィギュレーションを指定、右の領域でターゲット Item へのマップを指定)に追加されます。各新しいコンフィギュレーションは、New Configuration
, New Configuration 1
等の形式のデフォルトの名称になります。
コンフィギュレーションの名称変更/削除
コンフィギュレーションの固有の名称を変更する必要があるかもしれません。例えば、デフォルトのコンフィギュレーションを削除するのではなく、名称変更し必要に応じてそれを定義するかもしれません。コンフィギュレーションの名称を変更するには、その名称の項目内でクリックし新しい名称を入力します。
コンフィギュレーションを削除するには、コンフィギュレーション名の右にある Delete リンクをクリックします。削除を確認するためのダイアログが表示されます。Yes をクリックすると、'ペア' のターゲット Item と一緒にコンフィギュレーションが削除されます。
コンフィギュレーションの定義
定義する各コンフィギュレーションは固有で、順番にターゲット Altium Vault の固有の Item へマップする必要があります。このように、各コンフィギュレーションは_Configuration Manager_ ダイアログの左側に、ターゲットItemへのマップが右側に表示されます。この'ペア'は、ボードデザインのリリース概念(vault にあるターゲット Item の 'planned' レビジョンへリリースした設計側のプロジェクトのコンフィギュレーション)を示します。
左側の Configuration の領域で以下の情報を定義できます:
- Name – これはコンフィギュレーションの固有の識別子です。設計側でシステムの他の部分がコンフィギュレーションを参照する時、この名称を使用します。それは、PCB プロジェクトの固有のスコープです。それを追加する時、コンフィギュレーションの名称を指定します。既存のコンフィギュレーションは名称を変更できます。
- Ignore Variants – 出力を生成するためにバリアントを使用しない場合、このオプションを有効にします。実装ボード Item をターゲットにしている時、これは、ベースデザイン(ボードに含まれた(実装された)全てのコンポーネント)を使用することを意味します。
- Link to Variant – このオプションを有効にして、コンフィギュレーションの Output Job ファイルに関して、出力生成に使用するバリアントの名称を指定します。プロジェクトのバリアントのリストから選択するために、その項目に関連したドロップダウンを使用します。
- Include Output Jobs – コンフィギュレーションを定義する最後の部分は、Output Job ファイルの割り当てです。PCB プロジェクトに追加される Output Job ファイルは、自動でここに名称でリスト表示されます。各 Output Job ファイルにはチェックボックスがあります。Output Job ファイルをコンフィギュレーションへ割り当てるために(そのコンフィギュレーションを出力すべき Output Job ファイルを指定するために)チェックボックスを有効にします。Output Job ファイルで作成されたバリアント設定は、Configuration Manager で指定したバリアントにより無視されることに注意してください。
右側の Target Item の領域(コンフィギュレーションがマップされる)で、以下の情報が表示されます:
Target Item – これは、説明(定義した場合)と共にターゲット vault で定義した Item の固有の ID です。これは、サプライチェーン(会社で作成、販売される物理的なオブジェクト)によって作成される Item です。この Item ID を通して、コンフィギュレーションは設計領域から製造領域へマップできます。ターゲット Item を指定するには、その項目の右にある ボタンをクリックします。Choose Item ダイアログが表示されます。このダイアログに、ターゲット vault の画面が表示されます。コンフィギュレーションをマップしたい特定の Item へ定義したフォルダ構造内で閲覧できます。もし、異なる Item へマップする必要がある場合、ダイアログを使用して異なる Item を選択します。または、Clear リンクをクリックして新たに開始します。
- Last Release Information – 左下の領域では、Item Revision ID、リリース日、そのレビジョンのライフサイクル状態を含む Item の最後のリリースを示す情報が表示されます。もし、Item がリリースされていない場合、この領域には
Unreleased
と表示されます。
- Target Planned Revision for Next Release – この項目は、次に設計プロジェクトのコンフィギュレーションをリリースする時、ターゲット Item の planned レビジョンを指定するために使用します。コンフィギュレーションをリリースするために、保存するリリースデータの Item のレビジョンが
Planned
状態である必要があります。つまり、リリースデータを含める準備ができている必要があります。指定したターゲット Item の既存の planned レビジョンから選択するには、ドロップダウンリストを使用します。
警告
PCBプロジェクトのコンフィギュレーションの追加や定義は、Configuration Manager ダイアログのインターフェースを使用して容易に行えます。しかし、コンフィギュレーション内、またはコンフィギュレーション間で時々、コンフリクトがあります。このような場合、ダイアログに警告が表示され問題の原因のヒントを参照できます。そのため、すぐに修正できます。
以下の項目では、Configuration Manager ダイアログ内で警告を示す状況を考えてみます。全ての警告は、OKをクリックして表示される error ダイアログを使用してハイライトできます。
重複するコンフィギュレーション名
2つ(または複数)の定義したコンフィギュレーションは、それぞれ固有の名称にする必要があります。
この警告を解決するには、コンフィギュレーションの名称を変更します。各コンフィギュレーションは固有の名称になります。
重複するターゲット Item
2つ(または複数)の定義したコンフィギュレーションは、ターゲット vault の同じ Item へマップされます。各固有のコンフィギュレーションは vault の固有の Item へマップする必要があります。
この警告を解決するには、コンフィギュレーションの Target Item を変更します。各コンフィギュレーションはターゲット vault 内の異なる Item へマップします。