改善されたマルチスレッド アプリケーション デバッギング (AD10)
Altium Designer Release 10 は、POSIX マルチスレッドのサポートを改善しました。より直感的に合理化してデバッグするマルチスレッド アプリケーションを利用できます。
スレッド名の割り当て
マルチスレッドアプリケーションでサポートした最大スレッド数は8から255までです。デバッグ中、デフォルトスレッド識別名(thread_0、thread_1、thread_2、その他)は意味がありません。デバッグの目的で有効な改善点は、意味のある名称をスレッドに割り当てる機能です。
POSIX スレッド インターフェースヘッダファイル pthread.h
の一部や Software Platform の一部として定義した以下の関数は、スレッドの名称を設定するために利用できます:
extern int pthread_attr_setname(pthread_attr_t attr, *const char *name);
extern int pthread_attr_getname(const pthread_attr_t attr, *char *name);
一度、必要に応じてスレッド名を定義した場合、その使用用途は Thread_Name オプション(Software Platform ファイル (*.SwPlatform
) の Multithreading Support サービスに関連したオプションの一部)の state によって決定します。割り当てたスレッド名は Threads や Call Stack パネルの両方に表示されます。
あるスレッドは、Main、Idle や Kernel スレッドのようなシステムが割り当てた名称を持ちます。特に名称が割り当てられていないスレッドはブランクで表示し、作成されていないスレッドは entry n.a.
と表示します。
Threads パネル
RTOS パネルは、マルチスレッドアプリケーション内の各スレッドの統計的な情報を表示する Threads パネルに変更されました。デバグセッション中、メインデザインウィンドウの右下の Embedded ボタンからこのパネルにアクセスします。
そのパネルには3つの情報(Threads, System Status や Info Messages)を表示する領域があります。これらの設定は右クリックメニューか、または右上の項目にあるコントロールを使用して表示します。
強化された Call Stack パネル
プロセッサが停止している時に Call Stack パネルで、マルチスレッドアプリケーション内の各スレッドの状態を表示できるようになりました。スレッド間を素早く切り換えるには、Thread 欄のドロップダウンを使用してください。もし、Multithreading Support サービスのオプションである、名称が割り当てられたスレッドを使用するオプションが有効な場合、これらの名称はそのリストに表示されます。