パッド

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説明

パッドはデザインオブジェクトのプリミティブ です。それは、コンポーネントピンからボード上で配線するまで相互に接続する箇所を作成するために使用します。パッドは、デザインでフリーパッドとして個々に使用できます。または、一般的にコンポーネントフットプリントへ他のプリミティブと一緒に含める PCB ライブラリエディタで使用します。 

利用性

パッドは PCB と PCB ライブラリエディタで利用できます:

PCB エディタ

  • PCB エディタのメインメニューから Place » Pad [ショートカット: P, P] を選択します。
  • Wiring ツールバーで ボタンをクリックします。 

PCB ライブラリエディタ

  • PCB ライブラリエディタのメインメニューから Place » Pad [ショートカット: P, P] を選択します。 
  • PCB Lib Placement ツールバーで ボタンをクリックします。
  • ワークスペースで右クリックしポップアップメニューから Place » Pad を選択します。 

配置

コマンド実行後、カーソルは十字に変わりパッドの配置モードになります。パッドを配置するために、配置したい箇所にカーソルを移動しクリック、または ENTER を押します。 
更にパッドを配置し続ける、または右クリックか ESC を押して配置モードを終了します。SMD、またはシングルレイヤのパッドを配置している時、信号層を切り換えるには * キー(10キー)を使用します。全てのレイヤを切り換えるには、+、または - キー(10キー)を使用します。  

編集

 
パッドオブジェクトの属性は、配置前、配置中、配置後に修正できます。その編集は、2種類あり
- グラフィカルとグラフィカルでない部分です。  
グラフィカルでない編集は以下の方法で利用できます:

Properties ダイアログを介した編集

この編集方法は、パッドオブジェクトの属性を修正するために以下のダイアログを使用します:
各オプションについて詳細な情報を得るには、ダイアログの 'What's This Help' を使用します。ダイアログの右上にある ? ボタンをクリックしてから、確認したい項目、またはオプションをクリックします。詳細がポップアップに表示されます。このダイアログの左上にある で、現在、ダイアログで使用しているミリとインチの単位を切り換えできます [ショートカット: CTRL
+ Q ]。現在の単位はダイアログのタイトル領域に表示されます。 
Pad 属性ダイアログでは、インターナルプレーンレイヤ上の形状を含む定義したレイヤのパッド形状を確認できます。楕円(スロット)、角穴や plated 属性(スルーホール、またはノンスルーホール)を定義できます。そして、サーマル接続、クリアランス計算、ガーバー、ODB++ 、NC ドリル等は自動で処理されます。スルーホール、ノンスルーホール(6つの異なるドリルファイルまで)と同様に、穴の種類(丸、四角、スロット)ごとに分割されたドリルファイル(NC Drill Excellon フォーマット2)が生成されます。
穴情報 - パッドの穴形状は、以下の3種類のタイプがあります:

  • Round - 丸穴は、デフォルトの穴形状で穴サイズを定義できます。
  • Square - 角穴は、穴サイズの値と回転角度を定義できます。 
  • Slot - 長穴は、丸型の長穴で長さと回転角度を定義できます。 
    Size and Shape - パッドスタックの各レイヤごとにパッドサイズと形状を定義できます。フルパッドスタックの編集は、Edit Full Pad Layer Definition ボタンをクリックして表示される Pad Layer Editor ダイアログで行います。 
    パッドサイズと形状を編集する時、以下の3つのレイヤオプションを利用できます:
  • Simple - パッドスタックのレイヤごとにパッドサイズと形状を指定 
  • Top-Middle-Bottom - パッドスタックの top、mid、bottom レイヤそれぞれ異なるパッドサイズと形状を指定 
  • Full Stack - パッドスタックのレイヤごとにパッドサイズと形状を定義できます。フルパッドスタックの編集は、Edit Full Pad Layer Definition ボタンをクリックして表示される Pad Layer Editor ダイアログで行います:
  • Shape - 以下のパッド形状は定義、プレビューできます。Rounded Rectangle のみ Corner Radius を定義できます。この設定は、Rounded Rectangle のパッド形状のコーナー半径を指定でき、デフォルトで50%です。他の形状では、Corner Radius の値は長方形で定義したオブジェクト(特定の方式については以下の Notes を参照してください)の高さと幅に基づいて計算されるためこのコントロールはグレー表示されます。 

Rounded
Rectangle
- 下図のような丸型の長方形のパッド形状

Round - 下図のような円形のパッド形状



Rectangular - 下図のような四角形のパッド形状

Octagonal - 下図のような八角形のパッド形状

ダイアログへのアクセス

Pad ダイアログは、配置モードの前に Preferences ダイアログ(Tools » Preferences)の PCB Editor
- Defaults ページからアクセスできます。これは、パッドを配置している時に適用されるパッドオブジェクトのデフォルト属性を変更できます。 
Pad ダイアログは、配置中、TAB キーを押してアクセスできます。 
配置後、Pad ダイアログは以下の方法でアクセスできます:

  • 配置されたパッドオブジェクトをダブルクリック
  • パッドオブジェクトを選択し、右クリックポップアップメニューから Properties を選択 
  • Edit » Change コマンドを選択し、配置されたパッドオブジェクトをクリック 

PCB Inspector パネルを介して編集

PCB Inspector パネルでは、アクティブドキュメントの1つ、または複数のデザインオブジェクトの属性を編集できます。そのパネルは、同じ種類の複数のオブジェクトを変更するために使用できます。
特定のパネルの詳細については、カーソルがパネル上にある時に F1 を押します。

PCB List パネルを介して編集

PCB List パネルでは、表形式でデザインオブジェクトを表示しオブジェクト属性を素早く確認、修正できます。PCB Filter パネルと一緒に使用した時、フィルタ範囲のオブジェクトを表示できます。複数のデザインオブジェクトを正確に効率的にターゲットにし編集できます。 
特定のパネルの詳細については、カーソルがパネル上にある時に F1 を押します。 

グラフィカル編集

この編集方法は、配置したパッドオブジェクトをワークスペースで直接、選択し、グラフィカルにその位置を変更できます。パッドオブジェクトのサイズと形状はグラフィカルに変更できません:
パッドをクリックしドラッグします。パッドはドラッグ中に回転、または反転できます:

  • パッドを反時計周りに回転するにはSPACEBARを、時計回りに回転するには SHIFT + SPACEBAR を押します。回転角度は、Preferences ダイアログ(Tools » Preferences)の PCB Editor
    - General ページで定義した Rotation Step の値に従います。 
  • X 軸、または Y 軸に沿ってパッドを反転するには、X、または Y キーを押します。 

Tenting

パッドの一部、全部の tenting は、Solder Mask Expansion で設定します。この expansion 制約は、パッドごとに Pad ダイアログで、または Solder Mask Expansion デザインルールで定義できます:

  • パッドを部分的にレジストを被せる
    - ランド領域のみ覆う
    - パッド穴までマスクを閉じるマイナス値に Exapnsion を設定 
  • パッド全体にレジストを被せる
    - ランドや穴を覆う
    - Expansion をパッド半径と同じ、またはパッド半径より大きいマイナス値に設定 
  • 1つのレイヤで全てのパッドのレジストを被せるには、Solder Mask Expansion ルールの Expansion 値を設定し、ターゲットにするスコープ(Full Query)を必要なレイヤ上の全てのパッドにします 
  • 様々なパッドサイズが定義されているデザインで、全てのパッドの全体にレジストを被せるには、Expansion を最大のパッドの半径と同じ、または最大のパッドの半径より大きいマイナス値に設定します。 
    個々のパッドのレジストを被せている時、デザインルールで定義した expansion に従う、またはデザインルールを無視して個々のパッドで直接、指定した expansion を適用するオプションを利用できます。 

パッド デジグネータ

パッドのデジグネータ(通常、コンポーネントのピン番号を表します)は、英数字20文字まで設定できます。もし、最初のパッドのが 配置中、自動でインクリメントされます。最初に配置するパッドのデジグネータの最後の文字が数字の場合、パッドを1つ配置するごとにパッドのデジグネータは自動でインクリメントされます。パッドを配置する前に、Pad ダイアログ(配置する前に TAB キーを押して表示されます)で最初のパッドのデジグネータを変更します。
英文字、または1以外の数字のデジグネータをインクリメントするには、Paste Array 機能を使用します。この機能は、Paste Special ダイアログ(Edit » Paste Special)の Paste Array ボタンを押して表示される Setup Paste Array ダイアログでコントロールします。 
クリップボードへパッドをコピーする前に、パッドのデジグネータを設定し Setup Paste Array ダイアログの Text Increment の項目を設定して、以下のようなパッドデジグネータを配置できます:

  • 数字 (例えば、1, 3, 5)
  • 英文字 (例えば、A, B, C)
  • 英数字 (例えば、A1, A2; 1A, 1B; A1, B1; 1A, 2A 等)
    数字でインクリメントするには、Text Increment の項目にインクリメントしたい数値を設定します。英文字でインクリメントするには、Text Increment の項目にインクリメントしたいアルファベットを設定します。例えば、最初のパッドのデジグネータが 1A で、Text Increment の項目を C に設定した場合、配置したパッドのデジグネータは 1A, 1D, 1G 等になります。

ジャンパ接続


ジャンパ接続は、PCB 上で物理的に配線されないコンポーネントパッド間の電気的な接続を定義します。これは、同じレイヤ上のトラック、または複雑なデザインで '交差する' 箇所を飛び越えるためにワイヤを使用する片面基板で特に役立ちます。
Design Rules Checker は、未配線ネットのようにジャンパ接続をレポートしません。 
コンポーネント内のパッドは、Pad ダイアログの Jumper ID の値で設定できます。同じ Jumper ID と電気的なネットを共有するパッドは、物理的に接続されていないが接続があるとシステムで認識されます。 
ジャンパ接続は、PCB エディタで曲線の接続ラインで表示されます。 

Notes

パッドは複数レイヤ(信号層やプレーン層で表示)、または1つのレイヤに設定でき、ネットへ接続できます。Multi-layer パッドは各レイヤで異なる形状を設定でき、この場合、様々なレイヤを接続するためのドリル穴が必要です。1つのレイヤのパッドの場合はドリル穴は必要ありません。 

Rounded Rectangle パッド形状の Corner Radius を計算する式は以下になります:
Corner Radius = [Minimum(PadXSize, PadYSize) / 2] * (Corner Radius [%] / 100.0) Corner Radius [%] は[0
- 100] % の範囲になります。 
Corner Radius を 0% に設定する時、パッド形状は Rectangular として表示されます。Corner Radius を 100% に設定する時、パッド形状は Round として表示されます。

パッド穴は丸穴、角穴、長穴に設定できます。 

パッドは、自動で同じネット名のインターナルパワープレーン レイヤに接続されます。パッドは適切な Power Plane Connect Style デザインルールに従って接続されます。もし、パッドをパワープレーンに接続したくない場合、特定のパッドをターゲットにする他の Power Plane Connect Style デザインルールを追加(接続形状を No Connect に設定)します。 

配置中にオブジェクト属性を変更することで、Preferences ダイアログの PCB Editor - Defaults ページにある Permanent オプションを有効に設定しない限りそれがデフォルト属性になります。このオプションが有効な時、行った変更は変更後に配置するオブジェクトのみ影響を及ぼします。

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