回路図上のエリア指定によるネットクラス定義

Altium Designer では、既に回路図上でワイヤやバス、ハーネスに対して ネットクラス ディレクティブを配置することにより、ネットクラスの定義が出来ました。回路図から PCB を生成する際にネットクラス ディレクティブの情報が PCB ドキュメントに反映されました。しかし、この方法で必要なクラスをネットに割り付ける場合、回路図が混雑し、誤りを発生させる原因にもなり、手間がかかります。Altium Designer Summer 09 では、Blanket ディレクティブの使用により、効率的にネットクラスの定義を行うことができるようになりました。

Blanket ディレクティブによるネットクラスの作成

コンパイルマスク ディレクティブと同様に、配置»ディレクティブ のサブメニューにある Blanket (ショートカット PVL)を使用し、Blanket を配置できます。同じネットクラスとしてグループ化したいネット周辺に Blanket を配置します。配置した blanket にネットクラス ディレクティブを配置して定義します。この操作により、blanket で定義された領域内の全てのネットに対してネットクラス ディレクティブが適用されます。
 

Blanket ディレクティブに割り当てたネットクラス ディレクティブから PCB のネットクラスを生成するには、Options for PCB Project ダイアログ (プロジェクト»プロジェクト オプション) の Class Generation タブの ユーザ定義クラスネットクラスを生成 オプションを有効にしてください。


回路図上で Blanket ディレクティブを使用する事で簡単に PCB ネットクラスを生成することができます。

Blanket ディレクティブに含まれるネットに対してネットクラス ディレクティブを適用させる為には、ピン、ポート、ネットラベル、パワーポート、ワイヤ/バス/ハーネス (両端点を含む) は全て blanket の境界内に含まれている必要があります。また、ネットラベルなどのネット識別子も blanket の境界内に含まれている必要があります。PCB ネットクラスが期待通りにメンバーに含まれない場合は、blanket の領域を調整してください。

ネットクラス ディレクティブをコピーし、他の Blanket ディレクティブや個々のワイヤ、バス、ハーネスに割り付けた場合、同じ PCB ネットクラスとして生成されます。

Blanket ディレクティブによるカバーされたネットのハイライト

Blanket ディレクティブにより、囲まれたネットをハイライト表示する為に、回路図エディタのマーカー機能を使用できます。メインデザインウィンドウの右下にある ボタンをクリックし、Blanket ディレクティブ の枠をクリックするだけです。
 

スペースバー を押すことでマーカーの色を変更できます。アクティブなシート上でハイライトを解除したい場合は、メインデザインウィンドウの右下にある、クリア ボタンをクリックします。


マーカー機能を使用することで Blanket ディレクティブに関連付けられたネットを視覚的に確認することができます。

マーカーは、Blanket ディレクティブにより囲まれた領域の全てのワイヤやバスに適用されます。直接ピン-ピンやピン-パワーポートの接続のみがハイライトされます。抵抗やコンデンサを経由した GND への接続はハイライトされません。

Blanket ディレクティブで覆われたネット オブジェクトの選択

Blanket ディレクティブ で覆われた全てのネットを選択する場合は、編集»セレクト»コネクション コマンドを使用します。このコマンドを実行し、Blanket ディレクティブ をクリックするだけです。それにより、Blanket ディレクティブに覆われているネットに関連する全てのワイヤ、バス、ハーネス、ピンそしてパワーポートが Blanket ディレクティブ自身と同様にセレクト、ハイライトされます。

Blanket ディレクティブにより影響を受けたネットに関連する全てのオブジェクトを簡単に選択できます。

選択したオブジェクトのハイライトする色は、プリファレンス ダイアログ (DXP»プリファレンス) の Schematic – Graphical Editing ページにある セレクション 欄で定義できます。

Blanket ディレクティブの追加用途

Blanket ディレクティブは回路図上でネットクラスを定義するためだけのものではありません。実際、Parameter Set 機能に基づくディレクティブを Blanket ディレクティブに適応することができます。

個別ネットに対してPCB レイアウト ディレクティブの適用

下記は、Blanket ディレクティブ内のネットに対して、PCB レイアウト ディレクティブを使用し、配線幅定義を適用した図を示しています。

Blanket ディレクティブ内のネットに対して簡単にデザインルールを生成する事ができます。

ネットクラスに対して PCB レイアウト ディレクティブの適用

Blanket ディレクティブを使用し、ネットクラスを生成した場合、範囲内のネットに対して PCB レイアウト情報を定義することがあります。ネットクラス ディレクティブを割り当てたBlanket ディレクティブに PCB レイアウト ディレクティブを割り当てると個々のネットにではなく、定義されたネットクラスに対して適用されます。PCB ドキュメントに変更点をインポートした際には、一つのデザインルールがネットクラスに対してセットされます。

Blanket ディレクティブを使用することで対象のネットクラスに対してデザインルールが追加されます。

生成されたネットクラスに対して PCB デザインルールを指定する場合、PCB レイアウトディレクティブを Blanket ディレクティブに追加するか、もしくはネットクラス ディレクティブに直接ルールを追加する事ができます。

差動ペア ディレクティブの適用

Blanket ディレクティブに差動ペア ディレクティブを割り当てることで blanket 内の差動ペアネットに対して簡単に差動ペアの指定を行うことができます。

Blanket ディレクティブ内の差動ペアネットに対して差動ペアの指定が簡単に行えます。

Blanket ディレクティブを含む回路図の印刷

ソースドキュメントから出力データを生成する場合、Blanket ディレクティブを含むか否か選択できます。この制御は、生成する出力データに依存します。

  • スマート PDFスマート PDF ウィザードの 追加のPDF設定 ページの 回路図 欄で必要に応じて Blanket の有効/無効の設定ができます。
     

スマート PDF 生成時に Blanket の表示制御が出来ます。


 

  • OutJob ファイルから回路図の印刷 – 関連する出力ジェネレーターの設定を行うときに 回路図プリント プロパティ ダイアログの 作図 欄で必要に応じて Blanket の有効/無効の設定ができます。
     

    Output Job 設定ファイルから回路図印刷を行う場合の Blanket 表示制御ができます。
  • 回路図エディタから直接回路図印刷Preview ダイアログ (ファイル»印刷プレビュー) にて設定を行う場合、回路図プリント プロパティ ダイアログの 作図 欄で必要に応じて Blanket の有効/無効の設定ができます。
     

    回路図エディタから直接回路図印刷を行う時に Blanket 表示制御ができます。
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