ウェザー(お天気)ステーションを作ってみよう
Application Note AP0110 (v2.0) February 28, 2008
このアプリケーションノートは、ウェザー(お天気)ステーションについて、プロジェクトのデモを説明しています。 デモでは、ひとつ、またはそれ以上のウェザーステーションを紹介します。各ステーションは、風向、風速、温度を記録しています。
お天気情報はウェザーステーションのLCDで、常に確認できます また、履歴情報もVGAモニタで見ることができます。さらに、現在の気象条件をモニタできるように、コンピュータはインターネットブラウザを使用したシステムに接続されています。
ウェザーステーションには、以下のような、いくつかの形式があります。
- RS232またはモデム接続でインターネットに直接接続できるタイプ
- GSM HTTP が可能なタイプ
- ルータを使用したHTML インターフェースによる CAN ネットワークベースのタイプ
RS232 と GSM のタイプでは、VGA 画面を使用することができます。
通常のセットアップ(Altium Designer、NanoBoard、ホストPC)に加えて、以下のハードウェアが必要になります。
- A 1:1 シリアルケーブル、オスコネクタ×1、メスコネクタ×1(RS232_HTTP_Enabled タイプ)
- メスコネクタが2個のヌルモデムケーブル、ジーメンス製 MC45 ターミナルまたは相当品(GSM_HTTP_Enabled タイプ)×2
- CAN ネットワークケーブル(CAN設定のデモを希望する場合)
- CANのマルチドロップ機能のデモンストレーションを行いたい場合は、2台目以降のNanoBoard(CANネットワークの設定を使用したい場合)
- 風速計(Davis 7911)各ウェザーステーションに設置
RS232用、またはCAN用のPCコンフィギュレーション
デモ用のPCには、以下のようなソフトウェアがインストールされている必要があります。
- オペレーティングシステム(OS): Windows 2000 、Windows XP
- Altium Designer
- インターネットエクスプローラ 5.5 以上
- DirectX 8.01 以上
注記 : これらの最小構成は、マイクロソフトその他のベンダから提供されています。 いくつかのソフトが期待どおりに動作しない場合は、各コンポーネントを最新バージョンに更新してみてください。
NanoBoardを確認するには、1:1シリアルケーブルでPCと接続する必要があります。
ヌルモデム用COMポートの設定
まず最初に、COMポートをヌルモデム用に設定する必要があります。以下のように設定してください(Windows XPをベースに説明しています)。
- Windowsのコントロールパネル(Start » Settings » Control panel)を開いて、Phone and Modem Optionsを選択します。
- Modems タブをクリックし、Addをクリックします。
- 表示されるハードウェアウィザードで、Don't detect my modem; I will select it from a list を選択し、Next > をクリックします。 ウィザードの実行には少し時間がかかります。
- (Standard modem Types) を Manufacturer panelから選択、Communications cable between two computers を Models panel から選択、Next > をクリックします。
- NanoBoardと接続するのに使いたいシリアルポートを選びます(例えば、COM1)。 実行には少し時間がかかります。 Finish が表示されたら、クリックします。
- OK をクリックして、Phone and Modem Options ダイアログを閉じます。
ケーブルのダイレクト接続
次に、ケーブルのダイレクト接続を設定する必要があります。TCP/IPを実行するのに使うこの接続をホストに設定します。
- Start » Settings » Network Connections » New Connection Wizard を選択。
- 最初の画面には、不要な情報があります。 Next > を押して飛ばしてください。
- Set up an advanced connection を選択し、Next >をクリックします
- Connect directly to another computer" を選択し、Next > をクリックします。
- Guest を選択し、Next > をクリックします。
- 接続名を入力("NanoBoard"など)し、Next > をクリックします。
- ドロップダウンメニューから、Communications cable between two computers (COM1) を選択し、Next > をクリックします。
- Connection availability 設定を調節して、Next > をクリックします。
- Finishをクリックします。
- システムはすぐに接続を開始しようとして、接続ウィンドウを開きます。 接続ウィンドウが開かないときは、Start » Settings » Network Connections リストから新しい接続の作成を選択してください。
- Properties ボタンをクリックします。
- General タブで、Communications cable between two computers (COM1) を選択し、Configure をクリックします。
- Maximum speed (bps) を 57600bps に設定して、ハードウェアフローコントロールを有効に設定、モデムエラーコントロールとモデム圧縮を無効に設定します。 OKをクリックします。
- Networking タブをクリックします。 接続タイプが "PPP" になっていることを確認します。Microsoft Networks 用の全サポートは無効にします(File and Printer Sharing と Client で設定)。 OKをクリックします。
これで完了です。 その他のオプションはすべてデフォルトのままにしておきます。
GSM用のPC設定
GSM_HTTP_Enabled バージョン用には、Siemens MC45 ターミナル(相当品)をPCに接続して、モデムをインストールする必要があります。
ボードの設定
NanoBoardについては、以下のような設定が必要です。
- 振動数(Oscillation frequency) = 44.236800 MHz.
- すべてのVcc 基準電圧を3.3Vに設定
さらに、ウェザーステーションとして使用する NanoBoard について、以下の設定を行います。
- サーミスタ KED102CY を GND と AN1 間に接続。 2.7 kΩ レジスタを AN1 と Vcc 間に追加。
- 風速計7911を接続
- パルス出力をユーザ I/O1、ピン2へ
- パルス出力と Vcc 間に、10 kΩ プルアップレジスタ
- 風向の摺動子出力を AN0 に
- 風向の Vcc 出力を Vcc に
- 風向の GND出力を GND に
ソフトウェアのロード
FPGAの設定
FPGA には特別な設定は必要ありません。 NanoBoard をPCに接続し、以下の手順でワークスペースを開きます。
- Altium Designerを起動します。
- File » New » Design Workspace を選択して、ワークスペースを開きます。
- Project » Add Existing Project を選択 Choose Project to Open ダイアログが表示されます。
- ウェザーステーションのFPGA プロジェクトファイルを開きます。 例えば、RS232_HTTP_Enabled.PrjFpg を選んで、Open クリックします。
- Devices view を開きます。View » Devices を選択してください。
- Program FPGA ボタンの上にある Run Stages up to and including Download( )の箇所をクリックします。
これで、ソフトウェアがすべてのステップを実行し、FPGA を プログラムできるようになりました。
ソフトウェアのアップロード
ソフトウェアをアップロードします。
- Devices ウィンドウで、Compile ボタンをクリックします。
- Up to Date Download ボタンをクリックします。
- TSK-51A On-Chip Debug シンボルを右クリックして、Reset を選択します。
- TSK-51A On-Chip Debug シンボルを右クリックして、Continue を選択します。
データのロード
PC にダイレクトケーブル接続を設定して、NanoBoard を RS232 チャネルで PC に接続したい場合は、NanoBoard 上のウェブサーバにコンタクトする必要があります。シリアル TCP/IP 接続を開始して、ブラウザを起動、NanoBoard 上のhttp://weatherdemo.test/index.html にアクセスしてください。
ウェザーステーションのバージョン
ウェザーステーションのデモには、インターネットを利用できるバージョン、GSM バージョン、CAN ネットワークバージョンが存在します。 インターネットを利用可能な RS232 と GSM のタイプでは、VGA 画面を使用することができます。 VGA ケーブルをNanoBoard 上の関連コネクタに接続します。 VGA 画面には、温度、風速、風向を示すヒストグラムが表示されます。 同様に、電流値がLCDに表示されます。
NanoBoard の上部にある4つのキーパッドを使って、LCDへの表示方法を、以下のように変更することができます。
Key 0: デフォルト設定 - ノット(風速)、方位、°C
Key 1: 風速表示の切り替え - ノット、秒速(m/s)、時速(km/h)、回転数(MPH)
Key 2: 風向表示の切り替え - 度数、コンパス方位
Key 3: 温度表示の切り替え - °C(摂氏)、°F(華氏)
校正を開始するには、'F'マークのあるボタンを使用します。
インターネットが利用できるバージョン
インターネットが利用可能なバージョンは、Altium Designerがインストールされているフォルダの \Examples\Reference Designs\Weather Station\RS232_HTTP_Enabled ディレクトリにあります。 ウェザーステーションに接続するには、インターネットエクスプローラ 5.5 以降が動作する PCにシリアルポート経由で接続する必要があります。.
ハードウェアとソフトウェアがロードされ、実行されると、ブラウザは3つのダイアルのあるシンプルなコンソールが表示されます。コンソールには、現在の気象条件が表示されています。
GSMバージョン
GSMバージョンは、Altium Designerがインストールされているフォルダの \Examples\Reference Designs\Weather Station\GSM_HTTP_Enabled ディレクトリにあります。 ヌルモデムケーブルと Siemens MC45 ターミナル相当品(2個)が必要です。
CANネットワークバージョン
CAN ネットワークバージョンでは、最小限、2つのNanoBoardが必要です。 1台目のNanoBoard は、ルータ、ファイルサーバ、メディアコンバータとして機能します。2台目のNanoBoardは、リモートのウェザーステーションです。 両方とも、CAN インターフェースで接続されている必要があります。
ルータ/ファイルサーバとして使いたい NanoBoard はプロジェクトとともに使用します。プロジェクトは、Altium Designerがインストールされているフォルダの \Examples\Reference Designs\Weather Station\ CAN_RS232_Router ディレクトリにあります。 このボードは、PCにシリアルケーブルで接続されている必要があります。 実行時には、HTML ファイルを このボードにFTP 経由でコピーしておく必要があります。 このプロジェクト用の Html のサブディレクトリには、必要なファイルとバッチファイル ftp_upload.bat が含まれています。
その他のボードは、ウェザーステーションとして使用されます。 それらのボードは、ルータとCAN インターフェースで接続してください。 ハードウェアのコンフィギュレーションとソフトウェアは、Altium Designerがインストールされたフォルダの \Examples\Reference Designs\Weather Station\ CAN_HTTP_Enabled ディレクトリにあります。
各NanoBoard上で、ウェザーステーションのステーション番号(アドレス)を設定してくださいr 'F' キーを使用して、校正メニューを表示させます。 Setup で、Address を選択し、番号を選びます。 各NanoBoardには、別々の番号を設定してください。
すべて正しく接続し終えて、デモを開始したら、インターネットエクスプローラを使用してルータをいろいろ確認してみましょう。 最初のウェザーステーションでは、3つのダイアルが並ぶコンソールで気象情報が確認できます。 ドロップダウンボックスが提供され、同じCAN ネットワークに接続されている他のウェザーステーションに切り替えることができます。