CAMエディタでのインポートとエクスポート

このチュートリアルでは、CAMエディタを使用して、様々なCAMファイルのインポート、エクスポートを行う方法を説明します。

Tutorial TU0102 (v1.5) March 26, 2008

このチュートリアルで、CAMエディタにガーバーやODB+ファイルをインポートしてQuick Load コマンドの操作を説明します。Quick Loadは、フォルダに保存されている全てのCAMドキュメント(ガーバー、ODB+、アパーチャリストファイル(*.lst)、NCドリルHPGL/HPGL2やIPC-D-356ネットリスト)をインポートすることが可能です。
File » Import メニューには、選択されたガーバー、ODB++、ネットリスト(IPC-356-D)、 NCドリル、Mill/Rout、DXF/DWGやHPGL/HPGL2ファイルをインポートする個別のコマンドが用意されています。このチュートリアルでは、AutoCAD DWGファイルとMill/Routファイル(.rte)をインポートする2つのコマンドを使用します。
CAMエディタのインポートはデフォルトでは、Altium Designerからエクスポートされたファイルをインポートする設定になっています。 PCBの例では、4 Port Serial Interface をチュートリアルとして使用します。これはAltium Designerで設計されています。他のCAD/CAMプログラムで作成されたファイルをインポートする時は、それらの出力設定に着目し、それに応じてCAMエディタのインポートダイアログを編集します。DXP » Preferencesを選択して表示されるPreferencesダイアログでは、ガーバーファイルをインポート、エクスポートするデフォルト設定を行うことが可能です。これはRS-274DのガーバーやNCドリルの為に必要で、Gerber RS-274X, IPC-356-DやODB++ファイルでは必要ありません。
また、CAMエディタ で利用できるExportオプションを簡単に確認します。

Quick Load を使用してファイルをインポート

Quick Load コマンドは、フォルダ内に保存されているすべてのCAMファイルをインポートします。もし、ボード上に穴(例えば、スルーホールまたは、ブラインド、ベリードビア)がある場合は、少なくとも信号層(例えば、トップやボトムのガーバーファイル)と一つかそれ以上のNCドリルファイル(Excellon 2フォーマット)を読み込む必要があります。
最初にブランクのCAMファイルを作成し、設定オプションを見てからQuick Loadを使用して必要なファイルをインポートします。

新規CAMドキュメントの作成

1. メニューからFile » New » CAM Document を選択して、新規CAMドキュメントを作成します。新しい、白紙状態の新規CAMドキュメント、CAM1.Camがデザインウィンドウに表示されます。
2. File » Save(ショートカット CTRL + S)を選択してドキュメントを保存します。ファイル名に、例えば4 Port Serial.Camと入力し、新規のCAMファイルを保存する場所を指定し、OK をクリックします。

インポートオプションの設定


新規CAMドキュメントにガーバー、NCドリルやネットリストファイルをインポートする前に、Gerber Import設定と同様にインポートオプションを設定する必要があります。これらの値は、デフォルトとしてCAMDXP.ini ファイルに保存されます。View » CAM Editor を選択して、CAMエディタ画面モードであることを確認します。既にCAMエディタに設定されている場合は、そのコマンドはグレー表示になっています。あるいは、現在のエディタはCAMパネルの上部に表示され、リストを使用して切り換えることができます。
1. File » Setup » Import/Exportを選択します。PreferencesダイアログのCAM Editor - Import/Exportページが表示されます。
デフォルトのインポートフォーマットが、アパーチャ定義(エンベデッドアパーチャ)を含むRS-274-X(拡張ガーバーフォーマット)であることを確認します。もし必要ならば、ボタンをクリックしてフォーマットを変更します。

2. ガーバーファイルのデフォルトのインポート設定を行うことができるGerber Import Settings ダイアログを表示させるために、Import Settings をクリックします。OK をクリックしてデフォルト設定を適用します。
3. また、データをインポートする時に、CAMエディタ が新しいレイヤを追加できるように設定する必要があります。CAMエディタでは、同一のレイヤタイプが存在する場合でも、新しいレイヤを追加することが可能です。 あるいは、新しいレイヤを追加せず、既存のレイヤを使用することもできます。既存のレイヤを使用するのは、異なるPCBデータを同じファイルに読み込み、同じCAMパネル上で面付けする場合に便利です。
このチュートリアルでは、インポートして自動で新しいレイヤを作成する為、PreferencesダイアログのCAM Editor - Import/Export欄のCreate new layerオプションが有効であることを確認します。
4. 最後にインポートするファイルのファイル名の拡張子を確認します。ファイルの拡張子を確認するか、新しい拡張子を追加するために、PreferencesダイアログのCAM Editor - Miscellaneous欄をクリックします。

5. ここに表示されたファイルの拡張子は、インポートされたファイルの形式を決定します。 例えば、ガーバーファイルのクイックロードは、.A, .G、または*.PHOの拡張子の全てのファイルを検索し、読み込みます。セミコロン( で区切って、必要な拡張子を追加することができます。このチュートリアルでは、デフォルトの設定を適用し、そのままOKをクリックします。

Quick Load を使用してファイルをインポート


新規CAMドキュメントにガーバー、NCドリル、ネットリストファイルをインポートします。一括で同じフォルダ内のすべてのファイルをインポートするクイックロードオプションを使用します。
1. File » Import » Quick Load を選択します。File Import - Quick Load ダイアログが表示されます。Altium Designerのインストール場所にあるExamples\Tutorials\CAM Imports & Exports\Gerbers フォルダを確認して、OK をクリックします。
読み込むガーバーがRS-274-X フォーマットでサンプルファイルと同じくFS(Format Setting:フォーマット設定)コマンドを含んでいる場合は、デフォルト設定をそのまま適用します。
そうでない場合は、Detect Aperture Formatsドロップダウンリストからアパーチャフォーマットを指定し、Gerber Optionsまたは、Default Unitsボタンをクリックし、設定ダイアログを表示します。
OK をクリックするとガーバーファイルがロードされます。
2. ガーバーファイルが読み込まれると、Import Drill Data ダイアログが表示されます。
3. Import Drill Data ダイアログのデフォルト設定を適用し、OK をクリックします。 NCファイルがCAMエディタにインポートされ、Quick Load Process Reportログファイルと共にデザインウィンドウに表示されます。IPC ネットリストファイルが最後にロードされます。

注記: P-CAD デザインから生成されたガーバーファイルをインポートする場合、エラーファイル(Load Error.rpt)が開き、Quick Load could not determine the statement 'T00 Invalid Tool Code' from the Drill/Rout File(s) という、メッセージが表示されます。T00は、PCADファイルでのファイルの終りを表します。 このエラーファイルは、無視して閉じることができます。

4. ワークスペース下部のCAMボタンをクリックしてCAM パネルを開きます。ここで、レイヤ名やその他の情報を確認できます。どのパネルの上でも、 F1 キーを押すとヘルプにアクセスできます。

5. File » Save(ショートカット CTRL + S)を選択してドキュメントを保存します。

Quick Load を使用してODB++ファイルをインポート


ODB+インポートオプションは、CAMエディタにODBファイルをインポートします。もし、NCドリルデータがProtel から生成された場合、ODB+インポートが完了した後にNCドリルデータを別にインポートする必要があります。
他のCAD/CAM パッケージでは、既にODB++形式にドリル穴データを含んでいるので、NCドリルデータを別にインポートする必要はありません。
1. メニューからFile » New » CAM Document を選択します。ブランクの新規CAMドキュメントがデザインウィンドウに表示されます。
2. File » Import » Quick Load を選択します。File Import - Quick Load ダイアログが表示されます。
3. をクリックして、Browse For Folder ダイアログを開き、Altium Designerのインストールフォルダ内にあるCAM Imports & Exports¥ODB++ フォルダを表示させます。OKをクリックします。

4. OK をクリックしてファイルをインポートし、File Import - Quick Load ダイアログを閉じます。.Steps Table ダイアログが開きます。
このダイアログには、現在のドキュメントの為に、ロードしたODB+データベースに定義されたすべてのODB+ステップが表示されます。ステップは、Step Nameとそのステップに関連したObject Countで見分けられます。
5. OKをクリックして、ステップに割り当てられたすべてのデフォルト値を適用します。デザインがインポートされ、ログファイルが作成されます。CAMパネルのStepsタブがリフレッシュされ、右クリックのポップアップメニューから適切なコマンドを選択してステップを追加または修正できます。

NCドリルファイルのインポート

すでに、Altium Designerによって、生成されたODB++ ファイルをインポートしているので、関連するNCドリル情報をインポートしてみましょう。これは、ODB++ファイルがインポートされた後、個別にインポートする必要があることに注意してください。
1. File » Import » Drill を選択します。File Import - NC Drill ダイアログが表示されます。Altium DesignerのPCBエディタで生成されたNCドリルデータの拡張子は、.txt です。
2. をクリックして、Browse For Folder ダイアログを開き、Altium Designerのインストールフォルダ内にあるCAM Imports & Exports フォルダを表示させます。OKをクリックします。File Import - NC Drill ダイアログに戻って 4 Port Serial Interface.txt ファイルを選択します。.OKをクリックします。
3. Import Drill Dataダイアログが表示されます。

4. OKをクリックしてデフォルトを適用します。NCドリルデータは、個別のレイヤ(レイヤ名は、ファイル名に基づきます。 例えば、4_port_serial_interface.txt )でインポートされ、ログファイルが作成されます。
5. ファイルを保存します。

その他のファイルタイプのインポート

File » Importメニューのオプションにより、次のファイルタイプを別々に、または選択してインポートすることができます。ガーバー; ODB++; ネットリスト; ドリル; Mill/Rout; DXF/DWG; HPGL/HPGL2。
インポートしたいファイルにアパーチャ情報が無い場合は、File » Import » Aperture File (using Wizard formats)を選択して、あらかじめ決められたテンプレートフォーマットを使用しているアパーチャファイルを読み込むことができます。 または、File » Import » Custom Aperture Library File (.LIB)を選択して、カスタムアパーチャライブラリファイル(.lib)を読み込むことができます。
このチュートリアルの後では、DXF/DWGやMill Routファイルのインポートについて説明します。

DXF/DWGのインポート


AutoCAD DXF/DWG ファイルをインポートすることができ、各ドローイングレイヤが異なるレイヤタイプに置き換えられます。最初にデフォルトオプションを使用してDWG をインポートします。 その後、カスタムオプションを使用します。

標準的なPCBのインポート

1. CAM エディタモード(CAMパネルの上部のリストから設定)になっていることを確認します。そうでない場合、Import DXF/DWG オプションは利用できません。

2. メニューからFile » New » CAM Document を選択し、新規のCAM ファイルを作成します。ブランクのCAM ドキュメントがデザインウィンドウに表示されます。
3. File » Import » DXF/DWGを選択します。Open Auto CAD DXF/DWG Fileダイアログが表示されます。
4. Altium Designerをインストールした CAM Imports & Exports フォルダに移動。4 Port Serial Interface.DWG ファイルを選んでOpen をクリックします。DXF/DWG Import Wizard が表示されます。
5. このチュートリアルでは、PCBボードのDWGファイルをインポートしているので、Standard PCB (Double-sided, etc.)を選択し、OKをクリックします。インポートプロセスが始まり、結果がデザインウィンドウに表示されます。
6. ファイルを保存します。

Custom Import Optionsを使用してDXF/DWGファイルをインポート

1. CAMエディタモードであることを確認します。
2. メニューからFile » New » CAM Document を選択し、新規のCAM ファイルを作成します。ブランクのCAM ドキュメントがデザインウィンドウに表示されます。
3. File » Import » DXF/DWGを選択します。Open Auto CAD DXF/DWG Fileダイアログが表示されます。
4. Altium Designerをインストールした CAM Imports & Exports フォルダに移動。4 Port Serial Interface.DWG ファイルを選んでOpen をクリックします。DXF/DWG Import Wizard が表示されます。

5. チュートリアルのこの項目では、DWGファイルをインポートし、マニュアルでオプションを設定するので、Custom Import Optionsを選択しOK をクリックします。Import DXF/DWGダイアログが開きます。
6. 検知された各レイヤは、インポートのために自動で選択されます。オプションの4つの欄は、レイヤ別に用意されています。最初のレイヤ名は0 (ゼロ)であることに注意してください。AutoCad からインポートする場合、これは重要なレイヤです。すべてのフラッシュがこのレイヤに保存されています。CAM エディタは、インポートで適切なレイヤにこれらを分配するので、このゼロレイヤにはチェックが入っている必要があります。
7. 各レイヤのFRD (Flash Round/Donut Pads)オプションにチェックを入れます。このオプションが選択されている場合、丸やドーナツ形状はDXF/DWG ファイル内で検知され、フラッシュアパーチャが自動で作成されます。
8. UnitsInches に、Scale1.0に設定します。

9. Optionsボタンをクリックして、Advanced Optionsダイアログを表示します。
10. 最上部のOWP (Outline Width Polyline) モードとFill OWPオプションを選択します。
11. Options タブをクリックし、Move Layer 0 block objectsExclude trace endcapを選択します。必要なら、Line widthを0.005に、Rectangle flash ratioを6に変更します。
12. Optionsタブ内のText optionsボタンを押し、Default Font Styleタブ内のAutoCAD SHX を選択します。フォントが、romans.shxに設定されます。

これが表示されない場合は、Browse ボタンを押してshxfont フォルダを指定します。Text Line Width / Fill Modeタブ内でUse same line width for allを選択し、0.001を線幅の値として入力します。
13. すべてのダイアログが閉じられるまでOK をクリックします。 DWGファイルが、CAMエディタに読み込まれます。

Mill Routファイルのインポート


このコマンドは、現在のドキュメントにMill/Routデータファイルのをインポートに使用されます。
1. 新規のCAMファイルを作成(File » New » CAM Document)し、File » Import » Mill/Routを選択します。File Import - Mill/Routダイアログが表示されます。
2. をクリックして、Browse For Folder ダイアログを開き、Altium Designerのインストールフォルダ内にあるCAM Imports & Exports フォルダを表示させます。OKをクリックします。File Import - Mill/Rout ダイアログに戻って、Cam.rte を選びます。OKをクリックします。

3. OKをクリックすると、Import Mill/Rout Dataダイアログが表示されます。
4. OKをクリックしてデフォルトを適用します。データは、レイヤ名がファイル名(例えば、cam.rte)に基づいて個別のレイヤでインポートされ、ログファイルが作成されます。
5. ファイルを保存します。
6. もし、Mill Rout レイヤを修正したい場合は、NC Editor モードにする必要があります。View » NC Editorを選択すると、Routメニューオプションが利用できるようになります。

CAMエディタからファイルをエクスポート

すべてのCAMエディタ出力は、File » Export メニューで作成されます。オリジナルのデータを修正した場合やTest Point、NC Drillデータをガーバーフォーマットとして保存する必要がある場合は、ファイルをエクスポートする必要があります。
次のエクスポートオプションが、CAMエディタで用意されています。Gerber; Netlist; IPC-D-350, Save Drill, Mill/Rout, DXF, Part Centroids, Aperture List and Library, Bitmap (*.bmp)ドリルエクスポートオプションを利用するには、NCエディタモードである必要があります。
PCBエディタへのエクスポートについての詳細な情報は、AR0121 CAMを使ったPCBのリバースエンジニアリング AR0121%20CAM%20Editor%20Reverse%20Engineering%20PCBs.PDFを参照してください。

ガーバーのエクスポート


1. ガーバーファイルのインポートによって、チュートリアルの最初のほうで作成したCAMドキュメント(4 Port Serial Interface.CAM)を開きます。View » CAM Editorを選択します。
2. デフォルトエクスポート設定を確認します。File » Setup » Import/Exportを選択します。PreferencesダイアログのCAM Editor - Import/Exportページが表示されます。
デフォルトエクスポートフォーマットがRS-274-X(アパーチャ定義(エンベデッドアパーチャ)を含む拡張ガーバーフォーマット)であることを確認します。

3. Export Settingsボタンをクリックし、ガーバーファイルのデフォルトエクスポート設定を行うGerber Export Settings ダイアログを表示させます。
4. OK をクリックしてデフォルト設定を適用します。OK をクリックしてPreferences ダイアログを閉じます。
5. File » Export » Gerberを選択します。Export Gerber(s)ダイアログが表示されます。
6. OK をクリックしてデフォルト設定を適用します。Write Gerber(s)ダイアログが表示されます。
7. エクスポートしたいガーバーファイルを、オプションを有効にして選択します。あるいは、エクスポートするファイルを右クリックメニューで選択するか、SPACEBARでセレクションを切り替えて選択します。

出力ファイルフォーマットが正しくない場合は、OK ボタンは使用できなくなることに注意してください。出力ファイル名は、スペースや大文字を含めることはできず、64文字以内である必要があります。新しいファイル名を入力するには、ファイル名をダブルクリックします。ファイル名の拡張子を変更するには、ガーバーファイル名を選択してから右クリックしFile Extensionsを選択します。Enter Valueダイアログで新しい拡張子(最大3文字)を入力し、OKをクリックします。
8. Browse for Folderボタンをクリックしてエクスポートするファイルの保存場所を選択します。OK をクリックするとファイルがエクスポートされます。

ネットリストのエクスポート


2つのフォーマットでネットリストをエクスポートすることができます。IPC-D-356フォーマット (.net)でネットリストをエクスポートするには、File » Export » Netlist コマンドを使用します。IPC-D-350ネットリスト(.ipc)でエクスポートするには、File » Export » IPC-D-350を使用します。これらのコマンドを使用する前に、インポートしたデータからネットリストを抽出する必要があります。

1. CAMエディタであることを確認します。ネットリストを抽出していない場合は、Tools » Netlist » Extractを選択します。
インポートデータの確認についての詳細は、TU0101 CAMエディタによるデータ検証 TU0101%20CAM%20Editor%20Data%20Verification.pdf を参照してください。
2. File » Export » Netlist を選択します。Write IPC-D-356ダイアログが表示されます。
3. .netファイルを選択し、保存する場所とファイル名を変更して、このネットリスト(テストポイント)のレポート用にします。OKをクリックするとファイルがエクスポートされます。

ドリルファイルのエクスポート


1. NC エディタモード(View » NC Editor)を選択します。
2. File » Export » Drill を選択します。Export Drill Data ダイアログが表示されます。
3. Saveをクリックしてデフォルトを適用します。Write Drillダイアログが表示されます。
4. 保存する場所とファイル名(.drl)を選んでドリルファイルをエクスポートし、OK をクリックします。ドリルファイルが指定した場所にエクスポートされます。

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