Version-Controlled Database Library で作業
Contents
- Librarian、または Designer?
- Librarian として作業
- ソースコントロール リポジトリ
- Library Splitter Wizard の使用
- SVN Database Library の作成
- 外部のデータベースへのリンクを指定
- バージョンコントロール リポジトリへのリンクを指定
- 一致基準
- フィールドマッピング上の言語
- シンボルとモデルライブラリの保存場所を指定
- SVNDBLib ファイルを通してデータベーステーブルを修正
- 既存のデータベースコンポーネントを編集
- 新しいコンポーネントをデータベースへ追加
- コンポーネントをデータベースから削除
- ローカルワークスペースの指定
- シンボルとモデルの編集
- リポジトリへ変更をコミット
- レビジョンの物理的な比較
- 相違の閲覧
- Designer として作業
- ローカルキャッシュ
- 自動キャッシュ更新
- キャッシュを手動で強制的に更新
- 配置
- 配置後の管理
- 2 つの同期 - SVNDBLib と DBLink
このドキュメントでは、Altium Designer の SVN Database Library 機能を使用してデータベースからコンポーネントを配置する方法について説明します。
Database Library (*.DBLib) を使用してデータベースから直接、コンポーネントを配置する機能は、柔軟にコントロールできます。このコントロールされたソースライブラリ(回路図シンボルやフットプリントモデルがある)へリンクする方法を拡張して、ライブラリやコンポーネントを管理できます。ソースライブラリは、Subversion ベースのリポジトリ内で作成され、追加、維持できます。リポジトリや外部のデータベースへのリンクは、Version-Controlled Database Library と呼ばれる SVN Database Library file (*.SVNDBLib)、拡張された Database Library file (*.DBLib) 内で定義されます。
Librarian、または Designer?
Altium Designer では、Designer が Librarian ベースの作業を禁止しません。ソースコントロール リポジトリのために定義したアクセス権/許可は、Designer がどれぐらい遠くまで Librarian 'car' を運転できるかを定義します。例えば、Designer がライブラリをチェックアウトし、開いて修正できますが、リポジトリへの変更を commit できないかもしれません。
Librarian、または Designer として、version-controlled database library で作業できる 2 つのモードがあります。Altium Designer では、Designer が Librarian ベースの作業を禁止しません。ソースコントロール リポジトリのために定義したアクセス権/許可は、Designer がどれぐらい遠くまで Librarian 'car' を運転できるかを定義します。例えば、Designer がライブラリをチェックアウトし、開いて修正できますが、リポジトリへの変更を commit できないかもしれません。これらの役割は会社によって異なります。大企業は、Librarian の役割(ソースコントロール リポジトリでシンボルやモデルライブラリを設定、維持したり、SVN Database Library ファイルを生成)となるライブラリセンターがあるかもしれません。それから、設計者が会社内で SVNDBLib ファイルを利用できます。その人は、デザインにコンポーネントを配置するためにライブラリを登録、使用します。中小企業は、両方の役割を同じ人が行うかもしれません。その人がライブラリのリポジトリを設定、維持するだけでなく、定義した SVNDBLib をデザインで使用します。次の項目では、Librarian と Designer の詳細な役割を考えます。
Librarian として作業
Librarian として、外部のソースコントロールリポジトリのシンボルとモデルライブラリを設定、維持する必要があるだけでなく、SVN Database Library ファイルを設定する責任があります。これは、以下を行う必要があります:
- 外部のコンポーネントデータベースへ接続。
- データベースレコードをコンポーネントパラメータ/モデルマッピングへ定義。
- シンボルとモデルライブラリが保存される SVN リポジトリへのリンクを指定。
以下の項目では、リポジトリ、SVNDBLib ファイルの設定、リポジトリベースのライブラリのシンボルやモデルへ変更する方法を説明します。
ソースコントロール リポジトリ
Preferences ダイアログの Data Management - Version Control ページで、Provider がSVN - Subversion に設定されていることを確認します。SVN の実行ファイルへのパスを素早く指定するために、Auto Detect Subversion ボタンを使用します。
シンボルとモデルライブラリファイルは、Subversion (SVN) リポジトリへ追加する必要があります。リポジトリ内のこのようなファイルの追加やフォルダ構造の管理は、TortoiseSVN のようなSVN クライアントを使用して行われます。Preferences ダイアログの Data Management - Version Control ページで、Provider がSVN - Subversion に設定されていることを確認します。SVN の実行ファイルへのパスを素早く指定するために、Auto Detect Subversion ボタンを使用します。リポジトリへファイルを追加している時に注意する重要なものの1つは、各シンボルとモデルはライブラリファイル自体に保存する必要があると言うことです。エントリの変更(標準のライブラリで、多くのシンボル/モデルを設定できます)は、バージョンコントロール システムによって反映されます。ライブラリファイルごとに 1 つのシンボル/モデルを含めることはバージョンコントロールの本質となり、修正されている、修正されていないものの軌跡を正確にたどることができます。このドキュメントでは、リポジトリは既に作成されていると仮定します。
特定の SVN クライアントの詳細な情報については、そのソフトウェアに関するドキュメントを参照してください。
バージョンコントロールの詳細な情報については、Working with a Version Control System のチュートリアルを参照してください。このドキュメントでは、version-controlled database library について使用するソースコントロールシステムが Subversion である必要があることを思い出してください。
Library Splitter Wizard の使用
ライブラリを新しく作成した場合、ファイルごとに 1 つのシンボル/モデルだけにすることは問題ありません。しかし、一般的にソースライブラリは既に存在します。SVN リポジトリへ追加するためのライブラリを 1 つのファイルへ分割するために、Altium Designer では分割するツール(Library Splitter Wizard)があります。Library Splitter Wizard は、PCB、または回路図ライブラリドキュメントを編集している時、Tools メニューからアクセスできます。Wizard の最初のページで、分割したいソース回路図、PCB、PCB3D ライブラリを指定します(図 1)。Add ボタンを押して、ライブラリをブラウズしリストへ追加します。ソースライブラリは同じフォルダ内である必要はありません。
ウィザードの次のページでは、(分割された)シンボル/モデルライブラリを保存する出力ディレクトリを指定できます。
オリジナルソースライブラリを同じソースディレクトリフォルダに保存する場合、手間がかかります。出力ディレクトリを指定しない(同じソースディレクトリフォルダを示すデフォルトのまま)場合、1 つのシンボルとモデルライブラリが多数混在するようになります。リポジトリ構造を作成している時、これらを調べるのに時間がかかるかもしれません。
デフォルトで、出力ディレクトリはソースライブラリが保存されているディレクトリと同じディレクトリに設定されます。分割ライブラリファイルは、SVN リポジトリに追加されます。それは、ローカルのハードディスク上のリポジトリに希望するフォルダ構造(シンボル/モデルファイルに関して)を設定する良い方法です。オリジナルソースライブラリを同じソースディレクトリフォルダに保存する場合、手間がかかります。出力ディレクトリを指定しない(同じソースディレクトリフォルダを示すデフォルトのまま)場合、1 つのシンボルとモデルライブラリが多数混在するようになります。リポジトリ構造を作成している時、これらを調べるのに時間がかかるかもしれません。構造を定義したら、その構造内でソースライブラリをそれぞれのフォルダへコピーします。それから、デフォルトでソースライブラリごとに出力ディレクトリ設定を残すことができます。分割した後、生成された 1 つのライブラリファイルは、既に正しい場所にあります。それから、SVN クライアントを使用して各フォルダからオリジナルソースライブラリを削除し、リポジトリへフォルダを追加できます。ウィザードには、ソースライブラリをどのように分割するかコントロールする追加のオプションがあります。回路図コンポーネントライブラリについて、各コンポーネントからパラメータと/またはモデル情報を削除する(空のシンボルを残す) 2 つのオプションがあります。また、出力ディレクトリにライブラリが既にある状況を処理するためのオプションがあります。このオプションは以下のように設定できます:
- Overwrite Existing Files - この設定は、同じ名称の新しく分割したライブラリで既存のライブラリを上書きします。
- Append Incrementing Number To File Names - この設定は、保護する既存のファイルのリストを構築するために、出力ディレクトリのリストを通してウィザードがスキャンします。既存のライブラリと同じ名称の分割ライブラリは、サフィックス _n (n は 1 以上の整数です)が付加されます。
ソースライブラリとオプションを指定したら、ウィザードは分析を実行します。その結果、1 つのシンボル/モデルライブラリが作成(レビューのためにリスト表示)されます。生成される各分割ライブラリの名称は、そのライブラリ内の回路図コンポーネント/フットプリントモデル/PCB3D モデルの名称と同様に表示されます。また、オリジナルソースライブラリもリスト表示されます。ライブラリに使用した名称は、コンポーネント/モデルに使用した名称と同じになります。コンポーネント/モデル名に以下の文字を使用している場合、ライブラリ名を作成する時にアンダースコアに変換されます:
- \.
- !
- '
- [
- ]
作成されるライブラリのリストをレビューし、Next をクリックして分割プロセスを進めます。最終的にソースコントロール リポジトリへ追加するライブラリが作成されます。
SVN Database Library の作成
Database Library ファイルはデータベースライブラリ機能の中枢で、SVN Database Library ファイルは version-controlled database library 機能の中枢です。このファイルは、Altium Designer の SVNDatabaseLib Editor を使用して作成、管理されます(図 4)。
SVN Database Library - Altium Design Library.SVNDBLib のサンプルは、インストールフォルダの \Examples\Reference Designs\SVN DBLib フォルダに保存されています。
SVNDatabaseLib Editor は、メインデザインウィンドウのアクティブドキュメントが .SVNDBLib ファイルである時、アクティブになります。*File » New » Library » SVN Database Library コマンドを使用して、このタイプの新しいファイルを作成します。
外部のデータベースへのリンクを指定
外部のデータベースへの接続は、DBLib ファイルと同じ方法で実行されます。この接続を定義するには、そのエディタのメインディスプレイウィンドウの Source of Connection 欄で利用できるコントロールを使用します。また、以下から SVNDBLib を素早く作成するために SVN Database Library Conversion Wizard を使用できます:
- Integrated Library (*.IntLib)
- Database Library (*.DBLib)
- 個々の schematic component libraries (*.SchLib) や PCB footprint libraries (*.PcbLib)
詳細な情報については、Database Library Migration Tools アプリケーションノートを参照してください。
バージョンコントロール リポジトリへのリンクを指定
DBLib で、シンボルとモデルライブラリはハードディスク、またはその他のローカル/ネットワーク上の媒体へ保存されます。SVNDBLib のライブラリは Subversion リポジトリ内のバージョンコントロール下に保存されることを思い出してください。SVNDBLib ファイルの一部として、このリポジトリへのリンクを定義する必要があります。SVN リポジトリへの接続は、Database Library Options ダイアログ ( Tools » Options ) の SVN Repository タブで定義します。図 5 は、web ベ-スのサーバへの接続の例を示します。そこで、親リポジトリフォルダは次のアドレス: http://ares/svn/Altium になります。各オプションの詳細な情報を確認するには、ダイアログの 'What's This Help' 機能を使用します。ダイアログの右上の ? マークをクリックしてから項目をクリックします。
各オプションの詳細な情報を確認するには、ダイアログの 'What's This Help' 機能を使用します。ダイアログの右上の ? マークをクリックしてから項目をクリックします。
一致基準
外部のデータベースへの接続が成功した後、テーブルとマッピングデータがロードされます。データベースの各テーブルについて、一致基準(部品配置後、回路図コンポーネント間のリンクやソースデータベースレコードを作成、維持するために使用する parameter フィールド(または、フィールド))を定義する必要があります。一致基準は、DBLib ファイルと同じ方法で定義します。
フィールドマッピング上の言語
パラメータとモデルのマッピングは、DBLib ファイルと同じ方法で SVNDatabaseLib エディタのメインディスプレイウィンドウにある Field Mappings タブから実行されます。それは、回路図に配置されているコンポーネントへシンボルとモデル情報を定義するために、重要なマッピングであるデータベース内のシンボルとモデルの参照フィールドです。以下を確認する必要があります:
- 論理的シンボルのコンポーネントを指定する Database Field は、Design Parameter 欄にある [Library Ref] にマップされます。
- PCB フットプリントモデルを指定する Database Field は、Design Parameter 欄の [Footprint Ref] にマップされます。
SVNDBLib ファイルのためにシンボルとモデルをマッピングしている時、外部のデータベースのパス情報はオプションです。このようなパス情報が存在しない場合、Design Parameter ([Library Path] と [Footprint Path]) へマップする必要があります。現在、PCB3D とシミュレーションモデルのリンクは SVNDBLib でサポートされていません。その他のデータベースフィールド名は、同じ名称を使用してデザインパラメータへ自動でマップされます。必要に応じて、デザイン側でパラメータ名を変更、またはマップされないデータベースフィールドを指定してください。
パラメータ更新オプションの定義を含む詳細な情報については、Using Components Directly from Your Company Database のアプリケーションノートの Model and Parameter Mapping の項目を参照してください。
シンボルとモデルライブラリの保存場所を指定
SVN Database Library からコンポーネントを配置する時、そのシンボル([Library Ref] マッピングで指定した)とフットプリントモデル([Footprint Ref] マッピングで指定した)はバージョンコントロール リポジトリのシンボルとモデルライブラリから抽出されます。ライブラリを探すリポジトリの場所を知るために、これらのシンボルとモデルがあるベースディレクトリは SVNDBLib ドキュメントで指定する必要があります。これらのディレクトリパスは、Database Library Options ダイアログの SVN Repository タブで指定します。
図 6 の例で、回路図シンボルや PCB フットプリントの場所は、リポジトリ構造内の以下のサブフォルダを指定するよう設定されています:
- シンボルのための SYM フォルダ。
- フットプリントのための FTPT フォルダ。
シンボルとフットプリントは、指定したベースリポジトリ ディレクトリ内にある必要があります。もちろん、それらはそのディレクトリのサブフォルダにでき、シンボルとフットプリントのために指定したパスはリポジトリ内の同じディレクトリに指定できます。以下の方法は、指名したベースディレクトリ内でシンボルとフットプリントモデルを見つけるために使用できます:
- Absolute Path - ライブラリの保存パスはデータベースへ入力できます(例えば、http://ares/svn/Altium/SVNTest/SchematicSymbols/Capacitor_NonPolarized.SchLib)。
- Relative Path - ライブラリを保存する相対パス(リポジトリのルートからの相対)はデータベースへ入力できます。Database Library Options ダイアログの SVN Repository タブで指定したリポジトリのURLは(絶対アドレスを確認するには)、入力したパスの前に付加します。例えば、図 6 を考慮して /SVNTest/SchematicSymbols/Capacitor_NonPolarized.SchLib を指定する場合、フルパスは http://ares/svn/Altium/SVNTest/SchematicSymbols/Capacitor_NonPolarized.SchLib になります。
- Filename Only - データベースレコード内で、再度、シンボル、またはフットプリントを見つけるためにライブラリの名称を指定できます。この名称で見つかった最初のファイルを使用します(例えば、Capacitor_NonPolarized.SchLib)。シンボル/モデルの検索が一致した時、ベースシンボル、またはフットプリントディレクトリのフラットフォルダパスはアルファベット順にソート、検索されます。Library Splitter Wizard を使用する場合、常にシンボル/フットプリントの名称のライブラリになります。
一致するシンボル/モデルを検索している時、ベースシンボル、またはフットプリントディレクトリのフラットフォルダパスはアルファベット順にソート、検索されます。Library Splitter Wizard を使用する場合、対応するライブラリは実際のシンボル/フットプリントの名称と同じになります。
- No Path Information - コンポーネントのためのデータベースレコードでパス情報を入力しないように選択できます。シンボル/フットプリントを探している時、システムは最初にシンボル、またはフットプリントと同じ名称のライブラリを探します。例えば、データベースで論理的シンボル名([Library Ref] マッピングで指定した)が DIO-SCHOTTKY-2S の場合、システムは最初に名称 DIO-SCHOTTKY-2S.SchLib のファイルを探します。そして、このファイル内でシンボルを探します。この方法でシンボル/フットプリントを見つけることができない場合、システムは全てのライブラリを探します。
シンボルとフットプリントのパス情報のためにデータベースのフィールドを定義した場合、これらのフィールドは適切なデザインパラメータ([Library Path] と [Footprint Path])へマップする必要があります。データベースでライブラリパス情報を指定しないことも可能です。リポジトリの場所と/または内部のフォルダ構造は変更でき、この場合、データベースは更新する必要はありません。
SVNDBLib ファイルを通してデータベーステーブルを修正
データベースで、コンポーネントレコードを変更する必要がある場合があります。既存のコンポーネントは、現在の状態を反映するために 1 つ、または複数の更新するフィールドが必要かもしれません。新しいコンポーネントでそれを利用できる場合、データベーステーブルへ追加する必要があります。コンポーネントは 'obsolete' として表示されているかもしれません。デザインで使用しない場合、データベースから削除する必要があります。SVNDatabaseLib エディタでは、外部のデータベースを開かないでテーブルブラウザを通してこれらの動作を直接、実行できます。選択したテーブルを操作するためのコマンドは、右クリックメニューから利用できます(図 7)。
既存のデータベースコンポーネントを編集
データベーステーブルで既存のコンポーネントを編集するには、テーブルブラウザでその項目を選択します。右クリックして Edit Component ComponentName コマンドを選択します。ダイアログが表示されます(図 8)。親データベーステーブルの全てのフィールド(選択したコンポーネントへ定義した値を含む)がリスト表示されます。Field Value 欄をクリックし編集します。図 9 で、コンポーネント 10ACD33 の DatasheetDocument フィールドの値が13-Jun-2006 に変更されました。この変更を図で示した通り、一度、変更されると、テーブルブラウザと外部のデータベーステーブルで確認できます。
新しいコンポーネントをデータベースへ追加
新しいコンポーネントをデータベーステーブルへ追加するには、テーブルブラウザ内で右クリックし Add New Component コマンドを選択します。New Component ダイアログが表示されます。親データベーステーブルの全てのフィールドがリスト表示されます。必要に応じて、新しい物理的なコンポーネントの情報を入力します。新しいコンポーネントは、テーブルの下部に追加されます(図 10)。
コンポーネントをデータベースから削除
データベーステーブルから既存のコンポーネントを削除するには、テーブルブラウザのその項目を選択します。右クリックし Delete Component ComponentName コマンドを選択します。確認ダイアログが表示されます。削除するには Yes をクリックします。
ローカルワークスペースの指定
ローカル作業ディレクトリとして指名したフォルダは、version-controlled ファイルのコピーを入手するために使用する必要があります。SVNDBLib, MDB, XLS のような他のファイルは、バージョンコントロール下でない別のディレクトリに保存する必要があります。
ローカル作業ディレクトリとして指名したフォルダは、version-controlled ファイルのコピーを入手するために使用する必要があります。SVNDBLib, MDB, XLS のような他のファイルは、バージョンコントロール下でない別のディレクトリに保存する必要があります。Librarian として、SVN リポジトリに保存したコンポーネントシンボルとモデルを修正します。このような修正を行うには、リポジトリからローカル作業ディレクトリへファイルをチェックアウトする必要があります。この作業ディレクトリを作成してから、Preferences ダイアログの Version Control - SVN Libraries ページで使用するフォルダとしてそれを指定します(図 11)。
チェックアウトしたフォルダは、Database Library Options ダイアログの SVN Repository タブの Models Location の項目で指定されます。
チェックアウトしたフォルダは、Database Library Options ダイアログの SVN Repository タブの Models Location の項目で指定されます。
リポジトリから、指名したローカル作業フォルダへシンボルとフットプリントモデルライブラリを素早くチェクアウトするには、SVNDatabaseLib エディタのメイン Tools メニューから Check Out All Working Folders コマンドを実行します。図 12 は、リポジトリの内容と、リンクした最新のローカルワークスペースのファイルとフォルダを含むチェックアウトの結果を示します。
シンボルとモデルの編集
リポジトリとSVNDBLib ファイルは別にして、Librarian の主な作業は version-controlled ライブラリを維持することです。これは、回路図シンボルとモデル(ローカル作業フォルダへチェックアウトした)へ修正してから、SVN リポジトリへ戻ってこれらの変更をコミットすることを含みます。ローカルワークスペースやリポジトリ自体へチェックアウトしたフォルダとファイル間の主要なインターフェースは、Storage Manager パネルです。SVNDBLib ファイルがアクティブドキュメントである時、Storage Manager パネルにはローカル作業フォルダへチェックアウトしたシンボルとモデルフォルダが含まれます。リスト表示されたフォルダは、Database Library Options ダイアログの SVN Repository タブにある Model Locations の領域で指定したものになります(図 13)。
編集のためにライブラリファイルを開くには、そのパネルの All Files の領域にある項目で右クリックします。そして、表示されるメニューから Open を選択します。必要に応じて変更し、エディタの標準の Save コマンドを使用してファイルを保存します。また、以下のいずれかの方法を使用して、編集のためにライブラリを開くことができます:
- SVNDBLib ファイルがアクティブな状態で、Table Browser タブにあるコンポーネントのレコードの項目を右クリックします。そして、回路図シンボル、またはフットプリントモデルを開くために選択します。
- Available Libraries へ追加した SVNDBLib で、リンクしたデータベース内のターゲットコンポーネントを閲覧(Libraries パネルを使用して)してから、その項目を右クリックします。そして、回路図シンボル、またはフットプリントモデルを編集するために選択します。
- ローカル作業領域のライブラリを閲覧、開くには、ライブラリエディタの File » Open コマンドを使用します。
- ライブラリファイルを Windows Explorer から直接、Altium Designer へドラッグアンドドロップします。
リポジトリへ変更をコミット
編集するためにライブラリを開く別の方法がありますが、Altium Designer 内で行った変更のコミットは Storage Manager パネルからのみ実行できます。Storage Manager パネルを使用している時、Librarian として覚えておく重要なことは、(パネルに表示された)ローカル作業フォルダ/ファイル間のリンクや、ソースコントロールリポジトリ内のフォルダ/ファイルの状態をリフレッシュすることです。これは、Refresh Status コマンド(パネルの All Files の領域で右クリックして表示されるメニューから利用できます)を使用して実行します(図 14)。
Altium Designer 内で、リポジトリへコミットする、リポジトリから更新するためのコントロールは Storage Manager パネルを通して利用できます。もちろん、SVN Client ソフトウェアを使用して Altium Designer の外部でコミット、更新もできます。
ソースライブラリの状態のリフレッシュは、複数の librarian 環境でより重要になります。そこで、様々な人がソースシンボルやモデルファイルのリポジトリを維持する責任があるかもしれません。ライブラリのローカルコピーがリポジトリのそのレビジョンと同じである時、その状態は No modification として表示されます。ファイルを開いて修正できます。ライブラリの状態が Out of date の場合、変更を修正、コミットする前に、ローカル作業コピーを更新してリポジトリから最新のバージョンのファイルを入手する必要があります。これを行うには、Update コマンド(その領域で右クリックし表示されたメニューから利用できます)を使用します。
ライブラリを変更し保存した時、その状態は Locally modified by me に変わります。ローカルの変更をリポジトリへ渡すには、そのファイルの項目で右クリックしメニューから Commit コマンドを選択します。リポジトリへチェックインしたら、その状態は No modification に戻ります。
Storage Manager パネルの詳細な情報については、カーソルがパネル上にある時に F1 を押します。
レビジョンの物理的な比較
物理的な比較は、同じシンボル、またはモデルライブラリの 2 つのレビジョン間で実行できます。これは、連続した、または連続していないファイルのレビジョン間の変更を視覚的な方法で明確に確認できます。比較は以下のいずれかのレベルになります:
- ローカルレベル - Librarian のローカルワークスペース内に保存したドキュメントの 2 つのバージョンを比較します。一般的に、現在のバージョンはローカルバックアップ(History フォルダに保存された、ソースライブラリとして同じディレクトリに保存された)と共に比較されます。Storage Manager パネルの Local History の項目で、比較したい 2 つのバージョンのライブラリを選択します。そして、右クリックし Compare を選択します。
- リポジトリレベル - リポジトリ内に保存されたドキュメントの 2 つのレビジョンを比較します。Storage Manager パネルのVCS Revisions の項目で比較したいライブラリの 2 つのレビジョンを選択します。そして、右クリックし Compare を選択します。
Compare コマンドを実行すると、2 つの選択したドキュメントのレビジョンがワークスペースに表示されます。グラフィカルな比較が実行され、2 つのドキュメント間で検出された相違は Differences パネルにリスト表示されます。ワークスペースで 2 つの開いたドキュメントを並べて、相違を確認することは良い方法です。
相違の閲覧
図 15 は、同じライブラリファイル(回路図コンポーネントライブラリ)の 2 つのレビジョン間で検出された相違の例を示します。
相違は、階層でリスト表示されます。トップレベルの欄には、検出された相違数がリスト表示されます。これは、ライブラリについて 2 つのレビジョン間で相違がある部品数です。SVNDBLib に関連したソースライブラリ(ファイルごとに 1 つのシンボル/モデルのみあります)では、この欄は常に1になります。
その次の下位レベルでは、相違が見つかった部品を表示します。赤色のクロスで示された項目は相違がある部品を示します。サブレベルの欄は、別々のドキュメント上にある部品に相当します。SVNDBLib に関連したライブラリでは 1 つのコンポーネントのみです。
その次の下位レベルでは、部品間、または相違があるオブジェクト間のグラフィカルな相違を表示します。赤色のクロスで示された項目は相違が見つかったオブジェクトを示します。サブレベルの欄は、別々のドキュメント上にあるオブジェクトに相当します。検出された相違のトップレベルの欄(赤色のクロスアイコンで示された)をクリックすると、同時に双方のドキュメント上で相違がハイライトされます(図 16)。その親ドキュメント上で別々にそれをハイライトするには、オブジェクトのサブエントリをクリックします。
Designer として作業
Designer として、Librarian が生成した SVNDBLib ファイルを扱います。そして、Available Libraries リストへそれを追加して Libraries パネルで利用できるようにします(図 17)。
Libraries パネルは、リンクした外部のデータベースを '閲覧するウィンドウ' になります。データベースコンポーネントの閲覧や、特定のコンポーネントの検索は、導入した DBLib に関して同じ方法で実行されます。詳細な情報については、Using Components Directly from Your Company Database のアプリケーションノートの Browsing the Database Components や Searching for a Component の項目を参照してください。
ローカルキャッシュ
SVNDBLib ファイルを Available Libraries リストへ追加する時、リポジトリ内のシンボルとモデルライブラリは一時フォルダ(Designer のローカルコンピュータ)にキャッシュされます。ソフトウェアの動作が回路図シンボル、またはモデルを使用するために呼び出される時、そのシンボル/モデルはローカルキャッシュから取り戻されます。
自動キャッシュ更新
ソフトウェア内で以下の動作を実行している時、キャッシュ内のライブラリは、ソースコントロールリポジトリから自動で最新に更新されます:
- Libraries パネルで、導入した SVNDBLib ファイルからコンポーネントを配置。
- デザインの移行(例えば、PCB への更新)。
- 回路図エディタで、Update From Libraries コマンドを使用。
- PCB エディタで、Update From PCB Libraries コマンドを使用。
更新は自動ですが、Preferences ダイアログのVersion Control - SVN Libraries ページで利用できるオプションを使用してコントロールできます(図 18)。
このオプションは、ローカルキャッシュのための update timer です。キャッシュが更新されてから指定した時間が経過した場合、リストにある動作が実行された時、キャッシュは自動で更新されます。この時間内で動作が実行される場合、現在のキャッシュの内容を使用します(それは、リポジトリの内容より古いかもしれません)。
キャッシュを手動で強制的に更新
ソースコントロールリポジトリに保存されるライブラリが最新となるように、ローカルキャッシュを強制的に更新したい時があるかもしれません。例えば、回路図から PCB へデザインを移行する準備をしている時。
Altium Designer を再起動する時、ローカルキャッシュは、SVN リポジトリに保存された最新のライブラリと共に自動でリフレッシュされます。
以下のいずれかの方法を使用して、キャッシュを手動で強制的に更新できます:
- Libraries パネルで右クリックして表示されるメニューから Refresh コマンドを使用します。Altium Designer を再起動する時、ローカルキャッシュは、SVN リポジトリに保存された最新のライブラリと共に自動でリフレッシュされます。
- Available Libraries リストから SVNDBLib ファイルをアンインストール、再インストールします。
配置
Placement is performed as it is for any other library loaded and available in the Libraries panel. メインデザインウィンドウでターゲットの回路図シートを開いてアクティブドキュメントにし、Libraries パネルから配置したいコンポーネントを選択します。そして、Place ボタンをクリック、またはコンポーネントをシートへ直接、ドラッグアンドドロップします。コンポーネントは、以下の動作が行われカーソルに表示されます:
- 回路図シンボルは、ローカルキャッシュ内の回路図コンポーネントライブラリから取り戻されます。
- 参照されたフットプリントはリンクされます。
- SVNDBLib ファイルで指定したデザインパラメータは、コンポーネントに追加されます(Add To Design update 設定に従って)。
配置後、回路図上のコンポーネントをダブルクリックし、properties ダイアログを表示します(図 19)。ダイアログの Parameters の項目にデザインパラメータが、Models と Library Link の項目に追加したモデルとリンク先が表示されます。
この項目には、以下の情報があります:
- 親 SVN Database Library ファイル。
- コンポーネントが属する特定のデータベーステーブル。
- Design Item ID (Component Name / Part Number) の値。これは、SVNDBLib ファイルの Field Settings の項目で定義したキーフィールドで、一般的に part number です。
Choose ボタンをクリックして、配置したコンポーネントを同じテーブルから他へ変更できます。Browse Libraries ダイアログが開き、最初に同じテーブルで全てのコンポーネントをリスト表示します。同じ SVNDBLib ファイルの異なるテーブルのコンポーネントへ変更できます。または、別の SVNDBLib ファイルのコンポーネントを閲覧できます。その項目は、選択したデータベースコンポーネントの新しい情報に従って更新します。
配置後の管理
配置後に SVNDBLib ファイルのキーパラメータは、回路図上に配置されたコンポーネントを、外部のデータベースにあるコンポーネントのレコードへリンクさせるために使用します。これは、後でどんな段階でも、データベースのパラメータやモデル情報への変更を容易に配置したコンポーネントへ戻し、それらを同期することができることを意味します。PCB エディタで、配置したフットプリントへソースライブラリに保存した最新の情報を更新するには、Tools » Update From PCB Libraries コマンドを使用します。
PCB エディタで、配置したフットプリントへソースライブラリに保存した最新の情報を更新するには、Tools » Update From PCB Libraries コマンドを使用します。
パラメータ情報を更新したい場合、回路図エディタの Tools メニューから利用できる Update Parameters From Database コマンドを使用します。
パラメータ、モデル、回路図シンボルのグラフィカル属性を含むフル更新を実行するには、Update From Libraries コマンド(回路図エディタの Tools メニューから利用できます)を使用します。
様々な更新ツールを使用する詳細な情報については、Keeping Components Up-To-Date のドキュメントを参照してください。
2 つの同期 - SVNDBLib と DBLink
配置された部品が、DBLink ファイルを使用して外部のデータベースへリンクされているデザインプロジェクトを所有しているかもしれません。そして、デザインの変更で回路(SVN Database Library (SVNDBLib) 機能を使用して配置したコンポーネント)を追加しているかもしれません。SVNDBLib ファイルは、別の外部のデータベースへ接続することができます。Update Parameters From Database コマンドを使用している時、配置したコンポーネントのパラメータは、使用したリンク方法に関係無くデータベースと比較され、Select Parameter Changes ダイアログに表示されたパラメータの相違を検出します。同じデータベースフィールドが DBLink と SVNDBLib ファイルで使用されている場合、DBLink ファイルでリンクしたデータベースを最初に検索します。次に、SVNDBLib ファイルでリンクしたデータベースを検索します。If the component is present in both databases, you could quite possibly match and update from the wrong external record.